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革新的医薬品創出の担い手に関する調査
―世界売上上位医薬品の起源分析より―
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エスタブリッシュド・バイオテックとスタートアップ・バイオテック

本稿でバイオテックと定義した企業を、高鳥氏らは、創薬ベンチャーと呼称していることを前述しましたが、創薬ベンチャーあるいは、巷間よく使われるバイオベンチャーといった企業を分類する一般化された定義はありません。かつて遺伝子組み換え技術等を駆使して創薬研究を牽引したAmgenを現時点で創薬ベンチャー、あるいはバイオベンチャーと呼ぶことに違和感を覚えるのは、筆者だけではないと考えます。
 米国では、バイオテックの中でも主に設立から間もない企業を、スタートアップ・バイオテック等と呼んでいます。一方、一般財団法人バイオインダストリー協会では、本稿におけるバイオテックに該当する企業について、独自の基準でバイオベンチャーとバイオ中小企業に厳密に分類しています。バイオベンチャーとバイオ中小企業とを区分する要件は、企業設立から20年以上を経過しているか否かという点で、経過前の該当企業をバイオベンチャーとしています[7]
 この点を踏まえて、今回の調査対象となったバイオテックを起源とする医薬品について、その世界初上市年が当該バイオテックの企業設立年から20年を経過しているか否かを確認し、20年を経過していない企業をスタートアップ・バイオテック、それ以外をエスタブリッシュド・バイオテックと分類し、それぞれが創出した新薬のモダリティ分布を比較しました。図4から読み取れるように、2013年までの各調査年でスタートアップ・バイオテック起源の医薬品数が、エスタブリッシュド・バイオテック起源医薬品数を凌駕していましたが、2017年になると、両者の差は非常に小さくなっていました。




mark [7]
一般財団法人バイオインダストリー協会 ウェブサイト
https://www.jba.or.jp/link_file/publication/15_innovation_statistic_summary.pdf (参照:2018年10月5日)
図4 エスタブリッシュド・バイオテック起源医薬品とスタートアップ・バイオテック起源
医薬品のモダリティ比較

図4 エスタブリッシュド・バイオテック起源医薬品とスタートアップ・バイオテック起源医薬品のモダリティ比較

出所:図1に同じ

また、2003年と2008年では、バイオテック起源医薬品の大多数がスタートアップ・バイオテックによって創出されており、そのほとんどが抗体を含むバイオ医薬品でした。2013年からは両方の企業タイプで低分子医薬品の創出が目立ち始め、2017年ではその状況がいっそう顕著となっています。特に、エスタブリッシュド・バイオテックでは、低分子医薬品が創出医薬品の3分の2を占めており、設立後20年以上が経過したバイオテックが製品ポートフォリオの拡充を進め、事業形態をファーマに近づけようとしていることが可能性としてうかがえました。

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