トピックス 「2023年度コード管理責任者・実務担当者会」を開催

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製薬協コード・コンプライアンス推進委員会は2023年9月20日、「2023年度コード管理責任者・実務担当者会」をオンライン形式で開催しました。会員会社71社から、コード管理責任者とコード実務担当者が参加し、表1のプログラムに従って実施され、有意義な会となりました。以下、本会の概要を報告します。

表1 「2023年度コード管理責任者・実務担当者会」プログラム
表1 「2023年度コード管理責任者・実務担当者会」プログラム

開会挨拶

会の開催に先立ち、製薬協コード・コンプライアンス推進委員会の平田千佳委員長は、2023年度の本委員会の基本方針および4つの重点課題の概要を紹介しました。そのうえで、参加するコード管理責任者、実務担当者に対して、会で共有され、議論される情報やツールを、ぜひ各会員会社に持ち帰り、有効活用してほしいと述べました。

<基本方針>
「コード・コンプライアンス推進委員会は、会員会社が関連法令はもとより製薬協コード・オブ・プラクティスをはじめとする自主規範を遵守し、生命関連産業の一員として高い倫理観を持って社会的責任を果たすことを支援する」

<4つの重点課題>
会員会社のコンプライアンス推進の支援
透明性ガイドラインに基づく適切な情報公開の推進
医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインへの対応
行政および日本製薬団体連合会(日薬連)、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(公取協)、国際製薬団体連合会(IFPMA)等の国内外の関係団体との連携、情報の収集・発信およびフィードバック

製薬協 コード・コンプライアンス推進委員会 平田 千佳 委員長 製薬協 コード・コンプライアンス
推進委員会 平田 千佳 委員長

製薬協発出の通知・連絡について

コード・コンプライアンス推進委員会の松村豪実務委員長より、2023年4月18日に委員長通知として発出した「承認前の自社医薬品情報誤発信防止についての要請」の再確認がありました。特に業務委託先に対する誤発信防止対策の徹底および点検の必要性と注意喚起がありました。

また、2023年8月21日に「令和4年度 販売情報提供活動監視事業報告書」が公開されたことを受けて、8月23日に当委員会より会員各社に、「製薬協コードの遵守徹底について」を発出したことを説明し、会員会社に報告書の確認および販売情報提供活動ガイドラインの正しい理解を依頼するとともに、製薬協コードの遵守を求めました。

製薬協 コード・コンプライアンス推進委員会 松村 豪 実務委員長 製薬協 コード・コンプライアンス
推進委員会 松村 豪 実務委員長

コード違反措置事例について

コード・コンプライアンス推進委員会の溝口裕章実務委員より、「措置」の考え方、措置の定義(製薬協の「措置」は会員会社に自主的な改善を求めることであること)、措置のレベル、措置レベルの判断基準等について、概要の説明が行われました。

また、2022年度に新たに「措置事例集」として追加された2件の措置事例の概要および措置の視点等について説明が行われました。

最後に、会員会社による製薬協コード・オブ・プラクティスに反する行為について、法令違反の可能性もあるとして行政機関に会員会社が報告を行った場合は、当該報告事実について速やかに製薬協にも共有いただきたい旨の依頼がありました。

製薬協 コード・コンプライアンス推進委員会 溝口 裕章 実務委員 製薬協 コード・コンプライアンス
推進委員会 溝口 裕章 実務委員

コード理解促進月間施策について

コード・コンプライアンス推進委員会の玉田隆司実務委員より、2023年度のコード理解促進月間の施策について説明が行われました。

はじめに、2023年度のテーマは、会員会社からアンケート等で高い評価を得たことから、2021年度より3年連続で「誠実な行動で社会の期待に応えます」に決定したこと、サブテーマは、生命関連企業の一員として期待に応える行動の先には患者さんや健康を願う人々がいることから「すべては患者さんのために」とし、ポスターデザインにも反映したことを説明しました。

続いて、ポスターの掲示および点検項目、ポスターの電子媒体について説明が行われ、点検項目の事例集と製薬協コード・オブ・プラクティス解説資料の紹介も行いました。

製薬協 コード・コンプライアンス推進委員会 玉田 隆司 実務委員 製薬協 コード・コンプライアンス
推進委員会 玉田 隆司 実務委員

特別講演

厚生労働省医薬局監視指導・麻薬対策課広告指導官の古江道顕氏が「『販売情報提供活動監視事業』について」と題した講演を行いました。

古江氏は、「医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」の経緯・概要を説明した後、「令和4年度 販売情報提供活動監視事業報告書」の結果概要として、2021年度に比べ情報提供の機会が増加していると予想される中、2022年度の不適切な事例・項目が増加していないことは各社の努力と理解していると述べました。

続いて、主な疑義報告事例を採り上げ、ポイントを解説しました。主なものとして、「エビデンスのない説明」「有効性のみを強調」「他社製品の誹謗・中傷」が確認されている中、医薬情報担当者(MR)個人の素養だけでなく組織的な取り組みを疑う事例への対策の重要性を説明するとともに、令和4年度の監視事業で指摘を受けた企業も受けなかった企業も、疑義報告事例を参考に、継続的に社内の体制等を点検していくことが重要と述べました。

厚生労働省 医薬局 監視指導・麻薬対策課 広告指導官 古江 道顕 氏 厚生労働省 医薬局 監視指導・麻薬対策課
広告指導官 古江 道顕 氏

また、医療関係者から必要とする情報が入手しづらくなったとの課題が確認されたことより、情報提供のあり方について、「目的とする医薬品と他社製品との比較情報」「適応外使用に関する情報」が適切に医療関係者に届くよう、対応を検討していることが説明されました。

最後に、「治験に係る情報提供の取扱いについて」「虚偽・誇大広告による医薬品の取引にかかわる課徴金納付制度」等の解説があり、引き続き適正な販売情報提供活動をお願いしたい、との依頼で講演を締めくくりました。

謝辞

製薬協の石田佳之常務理事は、コード管理責任者・コード実務担当者の本会への参加に対して謝意を表すとともに、特別講演演者の古江氏に謝辞を述べました。

続いて、今後のコード遵守の取り組みとして、3つの方向性を示し、1つ目に、最近の活動の中で新たに見出されたリスクに対する適切な対応、2つ目に販売情報提供活動におけるガイドラインの正確な理解、3つ目にコンプライアンス部門が保有する情報の社内共有に際してさらなる工夫の必要性を述べ、これらの推進でコード遵守につなげてほしいとのメッセージで締めくくりました。

製薬協 石田 佳之 常務理事 製薬協 石田 佳之 常務理事

(コード・コンプライアンス推進委員会 実務委員 樫原 正博

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