From JPMA 日本の創薬力強化に向けて

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2000年代からの医薬品開発の潮流は、低分子からバイオをはじめとする多様なモダリティへと変化しています。製薬協では今後も続く急速なイノベーションの流れを実用化への駆動力とすべく「日本の創薬力強化」を最重要課題としており、そのためには、製薬企業に加え、アカデミア・ベンチャー・開発業務受託機関・製造業務受託機関といった複数のプレイヤーが協働して創薬を進める「創薬エコシステム」の構築が急務です。厚生労働省主催の「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」でも創薬力の強化策として新規モダリティの創出支援や創薬エコシステムの構築を挙げており、国を挙げて取り組む機運が高まっています。創薬エコシステムは、和・仲間・不断の努力を重んじる日本人の国民性にもマッチすると思います。

一方、創薬エコシステムが機能するためには、各プレイヤーをつなぐ仕組みに加え、世界から技術・ヒト・資本が集まってくる環境が必要です。そのためには日本が、イノベーションの価値が適切に評価される、魅力的な市場でなければなりません。医薬品の価格は公定価格であり、企業のみの意思で値付けはできませんが、革新的新薬の適切な価格設定に向けて、関係の方々や国民のみなさんの理解を得てまいります。そして、製薬業界を含め国内外から資質ある人材を積極的に投入し、創薬エコシステムの活性化に貢献してまいります。

日本製薬工業協会 会長 上野 裕明 日本製薬工業協会
会長 上野 裕明

いよいよ、先達の方々のバトンを引き継ぎ、具現化する段階が来たと認識しております。「日本の創薬力強化」と「イノベーションの適切な評価」の2つが連動し好循環することで、日本は「イノベーションが躍動する国」となり、革新的医薬品を継続的に生み出していけると考えます。各社が切磋琢磨しつつ、業界一丸となって取り組んでまいります。

(新聞社への寄稿より)

日本製薬工業協会(製薬協)
Japan Pharmaceutical Manufacturers Association (JPMA)

製薬協は、研究開発志向型の製薬会社が加盟する任意団体です。1968年に設立された製薬協は、「患者参加型医療の実現」をモットーとして、医療用医薬品を対象とした画期的な新薬の開発を通じて、世界の医療に貢献してきました。

製薬協では、製薬産業に共通する諸問題の解決や医薬品に対する理解を深めるための活動、国際的な連携等、多面的な事業を展開しています。また、特に政策策定と提言活動の強化、国際化への対応、広報体制の強化を通じて、製薬産業の健全な発展に取り組んでいます。

新薬の開発を通じて社会への貢献をめざす 日本製薬工業協会

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