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低分子医薬品の標的分子と分子量
─過去47年間の上市品からの調査─
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イオンチャネルにおいては、1970年代のカリウムチャネルから1990年代のカルシウムチャネルへと、上市品目数トップの項目が変遷しています。2000年代以降は、全体として上市品目数は減少の一途をたどっています。トランスポーターにおいては、ABCトランスポーターの上市品目数は少なく、SLCトランスポーターが各年代で主体となっています。分子量中央値は2000年代までは300前後を推移していますが、2010年代では400を超える大幅な上昇が確認されました。2010年代に入り、ナトリウム・グルコース輸送体2(Sodium-Glucose Transporter 2、SGLT2)を標的分子とする薬剤が立て続けに6品目上市され、そのうち5品目の分子量は400を超えており、このことが分子量中央値の上昇の一因であることが示唆されました。
 リボソームRNAは1980年代が上市品目数のピークであり、その後は段階的に減少しており、分子量中央値も1980年代と1990年代は600を超える値でしたが、2000年代以降は減少しています。チューブリンの上市品目数は、各年代とも2品目程度ですが、分子量は700を超える薬剤が多く、タンパク質間相互作用の上市品目数は、1980年代に上市されたシクロスポリンの1剤から、増加を続けており、2010年代は2016年現在で、前年代の上市品目数と同じ8品目が上市されています。分子量中央値は2000年代までは減少しているものの、600を超えており、2010年代は677まで上昇しています。

分子量500以上の上市品の標的分子のトレンド

経口投与可能な低分子医薬品の分子量の範囲は、リピンスキーの法則[7]に基づいて一般的には500未満とされています。そこで、分子量500を一つの基準として、500を超える上市品目を機能別小分類に従って抽出しました。そして、500以上の分子量の上市品目数とその占有率を集計した結果を表2に示します。

表2 機能別小分類での分子量500以上の上市品目数の年代推移と占有率
表2 機能別小分類での分子量500以上の上市品目数の年代推移と占有率

出所:表1に同じ


mark [7]
1997年にファイザー社のC. A. Lipinskiにより提唱された経験則であり、薬剤の分子構造に基づく物性が、次の4条件を満たすことが経口吸収性に優れる薬剤の可能性があるとしており、世界的に低分子医薬品の創薬研究の現場で取り入れられている。(1)分子量500以下;(2)logP値(脂溶性指標)5以下;(3)水素結合受容体(窒素・酸素等の原子)の数10以下;(4)水素結合供与体(水酸基・アミノ基等)の数が5以下。4条件の数字が5の倍数であるため、別名「Lipinski’s rule of five」とも呼ばれる。
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