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低分子医薬品の標的分子と分子量
─過去47年間の上市品からの調査─
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過去47年間(1970~2016年)に上市された低分子医薬品のデータセット[1]を用いて、これまでに分子量に焦点をあてた低分子医薬品の分子量分布や疾患領域との関連性についての分析[2]や、新規標的分子数の年代推移を基にした標的分子のトレンド分析[3]等、さまざまな側面から低分子医薬品の現況調査を行ってきました。低分子医薬品の分子量が年代とともに増加していることを明らかにしましたが[2]、これに寄与する標的分子の特徴について興味がもたれます。そこで、従来と同じデータセットを対象に、標的分子の機能別分類に示す標的分子の各種機能別分類に基づき分類した低分子医薬品の分子量中央値[4]の年代推移を集計し、分子量の増加に寄与する標的分子について調査しましたので紹介します。

標的分子の機能別大分類での上市品目の割合と分子量中央値

まず初めに、上市品目を標的分子の機能別大分類(表1)に基づいて分類した場合の割合を図1に示します。酵素を標的分子とする医薬品が総数500品目と最も多く、続いて受容体が434品目、イオンチャネルとトランスポーターが同数の75品目でした。酵素と受容体で全体の約80%を占めており、過去47年間での低分子医薬品の中心的な標的分子であることが確認されました。次に、大分類の各項目での医薬品の分子量を比較した結果を図2に示します。受容体、酵素、イオンチャネル、トランスポーターの4項目はいずれも分子量中央値が400未満でした。一方、その他の上市品[5]の分子量中央値は615と高値を示しており、4項目とは異なる特徴を示しました。

表1 標的分子の機能別分類
表1 標的分子の機能別分類

出所:標的分子の機能別分類はInforma社のPharmaprojectsのBiological Targetをもとに分類した

mark [1]
Informa社のPharmaprojects・Clarivate Analytics社のIntegrityの2種のデータベースをもとに作成した。また、DrugBankとKEGG Drugのデータベースを標的分子の特定のためのサポート・データベースとして使用した。本稿では、低分子医薬品を製造工程に化学合成が含まれる新規化学成分の品目と定義し、分子量2,000以内の天然物医薬品(糖鎖構造含有品は除く)を含み、抗体薬物複合体、配合剤(含新規化学成分)、麻酔薬、筋弛緩薬、診断薬、放射性医薬品、無機医薬品(含金属複合体)を含まない。また、抽出した低分子医薬品は塩構造を除いたフリー体構造として分子量を算出している。
mark [2]
医薬産業政策研究所「低分子医薬品の上市品数と分子量」政策研ニュースNo.49(2016年11月)
mark [3]
医薬産業政策研究所「低分子医薬品の標的分子のトレンド分析」政策研ニュースNo.50(2017年3月)
mark [4]
分子量分布では極端な外れ値や著しく非対称な分布の場合が想定されることから、平均値ではなく中央値を本稿では適用した。
mark [5]
「リボソームRNA・チューブリン・タンパク質間相互作用」を標的分子とする上市品をその他として分類した。
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