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バイオ医薬品(抗体医薬品)の生産動向
─販売重量からの分析─
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現在、医薬品の世界市場が約8000億ドルある中で、バイオ医薬品市場は約2000億ドルとなり、その比率は約24%にまで伸びています[1]。このバイオ医薬品の市場拡大の背景には、それまでの低分子医薬品とは異なる標的分子に薬効・有効性を示したことと、バイオテクノロジーの技術革新に伴い商用生産が可能となり、供給体制の確立といった製造面での進展があったためと考えられます。これまでの市場分析は主に、医薬品の品目数や売上高に着目して行われてきましたが、今回、バイオ医薬品においては重要なポイントとなる生産量や製造プロセスに着目し、生産量の目安として販売重量および生産細胞等について分析を行いましたので、紹介します。

バイオ医薬品の販売重量

化学合成による安定した生産が可能な低分子医薬品とは異なり、バイオ医薬品の生産には、用いる細胞・微生物の状態や、製造工程における製造条件が品質に影響を与え得るため、製造一貫性、安定的な品質確保のコントロールが難しく、製造に関する高度な技術やノウハウが必要となります。遺伝子組換え技術が用いられるバイオ医薬品製造においては、培養工程とそれに続く精製工程の2つのプロセスがあります。製造スケールを主に規定するのは上流の培養プロセスにおける培養槽サイズ(L)となり、遺伝子組換え細胞による発現効率(g/L)と掛け合わせて算出される原薬重量(gやkg)により、バイオ医薬品の生産量は示されます。現状の生産量や流通量を把握するために、国内で販売されたバイオ医薬品の重量を算出しました(図1)。算出方法についての詳細は欄外に記述しましたが、各品目の有効成分の含量に販売数量を乗じて、年度ごとの販売重量として分析に用いました。実際の培養生産量は、精製収率や在庫分等も考慮する必要があると考えられますが、今回、販売重量を生産量の目安とした点については留意が必要です。参考までに、平均的な精製収率として約70%という報告[2]もあります。

mark [1]
政策研ニュースNo.49『世界と日本のバイオ医薬品市場の比較』(http://www.jpma.or.jp/opir/news/news-49.pdf
mark [2]
BioProcessing Journal WINTER 2014/2015 ・ Volume 13/ Issue 4
【分析方法詳細】
・ 対象品目は、国立医薬品食品衛生研究所のHP(http://www.nihs.go.jp/dbcb/approved_biologicals.html)に掲載されている、日本で承認されたバイオ医薬品(組換え医薬品・細胞培養医薬品)133品目の内、2015年の国内売上データを入手できた120品目を対象とした。このうち17品目は、含量がユニット単位などの表記であったため、添付文書、インタビューフォーム、日本薬局方、審議結果報告書の記載内容等を参考にして、重量単位に変換した。また8品目(血液凝固線溶系因子5品目、ホルモン1品目、インターフェロン類2品目)は、該当する記載内容がないため重量単位への変換ができず、ヒト血清アルブミンと合わせて9品目は分析対象から除外した。従って、今回は111品目を最終的な分析対象品目とした。
・ その他の分類には、酵素、血液凝固線溶系因子、ホルモン、一部のワクチン、インターフェロン類、エリスロポエチン類、サイトカイン類が含まれる。抗体医薬品には、抗体医薬品と構造が類似している一部の融合タンパク4品目が含まれる。
・ 投与量ではなく含量を用いて算出したため、添付文書等の情報より、過量充填されている品目は過量充填量を用いて算出した。
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