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「第30回 広報セミナー」を開催
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2.医療ルネサンスと医療部

過去、医療記事というと、最先端の基礎臨床研究をテーマにした非常に専門性の高い記事か、医療事故を取り扱った記事というのがほとんどという中で、患者さんが本当に知りたいのはなんなのかを考え、病気に対するもっと身近な悩みや疑問に対する情報を提供し、より身近な臨床の情報を伝えるという目的で、「医療ルネサンス」は「心と身体に優しい医療」をテーマに1992年にスタートしました。医療者と患者さんのギャップを埋める懸け橋となるべく、具体的に患者さんの事例をわかりやすく解説することを主眼とし、あくまで患者目線の情報発信を行うことをテーマとしたものです。今でこそ朝日新聞や毎日新聞等他紙にも良質な医療記事が増えましたが、当時としては、読売新聞社がその先駆けであり、草分け的存在だったと言えます。92年当時は医療・健康問題取材班として発足し、医療情報室、医療情報部という形態を経て、現在、医療部として、総勢21名の報道体制となっています。この間、3回の新聞協会賞を受賞する等、良質な医療情報を提供しています。

3.患者目線の医療記事とは?

患者目線での記事を書くという点では、たとえば、一般の人に認知の低い疾患の場合、患者さんがその疾患のことをなかなか周りの人に理解してもらえず、つらい思いをすることがあります。そういう状況でこそ、そうしたテーマを全国紙で採り上げることで、その疾患に対する社会的な理解度を高めていくことが可能となり、報道の重要な役割の1つだと考えています。また、記事内で医師の所属職位を表記する際には、「○○教授」という表記をするのではなく、「○○大学教授の○○さん」という表記をすることで、医師と患者さんを同じレベルで捉えるということにこだわったりしています。
 このように、紙面での医療記事は、患者さん目線、患者さんの立場に立った報道を行うことを前提に取り組んでおり、具体的には、疾患の話しを掘り下げる紙面として、前述の「医療ルネサンス」があります。それ以外にも、健康になるための知識という切り口では、「教えて!ヨミドック」という夕刊の新コーナーを始めました。新しい治療法に関する切り口としては、「からだCafè」というニュース面もあります。加えて、患者さんのニーズの中で非常に関心の高いこととして、医療機関に関する情報があります。2004年から、「病院の実力」というアンケート紙面を毎月第一日曜日に展開していますが、地方版にまでリンクさせて、地域に医療機関の治療実績の情報を提供することに加え、支局の記者が、医療情報の取材に慣れる機会を増やすことにもつながっており、医療情報を扱う記者育成にも一役買っています。
 また、読売新聞社は、医療テーマに関する提言報道等も実施しており、特徴的な媒体であると言えます。医療は社会の中、生活の中にあり、医療だけが独立したものとして存在しているわけではなく、さまざまな観点から議論が必要不可欠なもので、われわれも社内のさまざまな部署の専門家が集まって議論を重ねたうえで、紙面を通し、意義のある提言を行ってきたと考えています。

4.患者目線と企業目線は共存するか?

新聞社の編集側の本質の部分でありますが、正直、われわれは売り上げのことをあまり気にすることなく、とにかく良い紙面を作ることを最優先に考えています。前述の通り、医療部としては、患者目線で記事を書いていますので、ある特定の企業やその製品の宣伝を記事の中で行うということはしません。しかし、患者さんの役に立つ情報ならなんとか工夫して載せたいという思いがあります。つまり、もし企業サイドの視点とわれわれ編集サイドの視点が合致する点があるとすれば、それは、患者さんのためにという1点に絞られ、この点では製薬企業と新聞報道の利害は一致するはずです。

5.読者に伝えたい薬情報のテーマとは?

たとえば薬の話について言いますと、ある特定の会社の特定の薬に特化した情報を採り上げることは、扱いづらいテーマとなります。やはり患者さんの視点で、疾患全体の話しを採り上げる中で、薬の話しも出てくるという立て付けになっていきます。また、副作用情報も伝えるべき重要なテーマだと考えています。それ以外に、読者に伝えたいテーマとしては、高額薬剤と医療費の関係等は、「医療ルネサンス」の今年の年間企画「いのちの値段」でも扱っていきますし、子宮頸がんワクチンの問題やエビデンスにまつわる研究不正等訴訟が絡むようなテーマについては、報道機関として触れないわけにはいきません。また、高齢者への処方薬のテーマ、抗精神病薬の多剤大量投与等についても、社会的テーマとして採り上げていきます。

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