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市民・患者とむすぶ

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「第8回 患者団体連携推進委員会総会および特別講演会」を開催
〜難病・障害のある子どもと家族を支えるネットワーク〜
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難病と障害とともに暮らす子どもたち

難病と障害の違いについて、尋ねられてすぐに明確な回答を出せる人は少ないのではないでしょうか。福島氏によれば、難病には医学上の明確な定義は存在しないそうです。必要な医療を受けながらも、先天性・慢性の疾病によって社会生活上なんらかの活動制限や参加制約を受けている状態を「慢性疾病・難病」と定義した場合、日本で慢性疾病・難病とともに暮らしている子どもは、25万人以上、疾病の種類は700種類以上といわれています。
 子どもの慢性疾病・難病が成人と大きく異なる点は、患者数が少ないため、診断や治療方法の確立に時間がかかることや、子どもの成長ステージに応じてきめの細かい対応が必要であることです。病気への周囲の理解が得づらく偏見を生みやすいため、子どもだけでなく兄弟姉妹に対する配慮も欠かせません。親への経済的負担を軽減していくことも喫緊の課題です。

難病・障害を支援する制度とその課題

慢性疾病・難病の子どもたちへの公的な支援には、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)と児童福祉法に基づいた医療費負担補助制度や、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスの支給等があります。以前に比べれば対象疾病数が増え、行政での体制も整備されてきていますが、たとえば児童福祉法による制度は、対象となっている患者さんが20歳を迎えると受給できなくなります。また、明らかに難病による活動制限や参加制約が存在しても、確定診断がつかない、あるいは疾患名が制度の対象外等、既存の制度の対象とならないケースもあります。
 日本において障害は厳格に定義されています。たとえば、歩けない・立てない状態は、比較的容易に障害の認定を受けられます。しかしながら、投薬での治療や気管切開などの状態があることだけでは障害の認定を受けられませんし、内部障害においては一部の臓器しか障害認定の対象にならない等、制約が多く範囲が狭いといわれています。また、障害は固定していることが要件として定められており、難病は増悪や寛解、再発を繰り返すこともあるため、固定という概念に一概にまとめることは現実的に困難です。
 2013年に障害の定義に一部の難病が追加されたので、その難病の患者さんは障害認定を受け、公的支援を受けることができます。しかし、社会的支援がないと生活しづらいハンディキャップのある人すべてが支援を受けられるという理想的な制度のあり方には、現状はほど遠い状況です。痛みやだるさ等病気特有の活動制限・参加制約による障害の認定という視点も必要と考えます。

難病・障害を支える家族への支援

難病は病気なので、医療が非常に大きなウェートを占めます。医療には2つの側面があり、それは治療するための医療(cure)と、生活するための医療(care)です。たとえば現行の障害福祉サービス、特に居宅系サービスには、医療に分類されている行為を必要としている子どもが使うことのできるサービスが制度上存在しません。これは日常生活において介護者たる家族の大きな負担となっています。そのため、介護者である家族がすべてを負担し抱え込むことを余儀なくされます。そうなると、子どもの学校への付き添い、待機、送り迎え等どこへ行くにも家族と一緒になり、子ども自身の自立や社会参加の制約要因になることもあります。生活するための医療を受けるために生活がさらに制約されてしまう状態は望ましくありません。
 病気や障害のある子どもの子育ては、両親のみならず兄弟姉妹にも大きく影響するため、包括的な家族支援が必要となります。また、暮らしている地域の人たちとのかかわりも重要です。地域全体で「インクルージョン」によって子育てを支援していくこと、また親の会やピアサポート等のレイ・エキスパート(素人の専門家)と専門職が協働することで、家族や子どもの将来に対して見通しや安心感の得られる支援をしていく必要があります。

質疑応答

参加者からは、いくつかの質問が寄せられました。主な内容は以下の通りです。

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