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「第29回 製薬協 政策セミナー」を開催
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 新しいものを開発する段階で、正解を知っている人間はいないと思います。産学官連携においても同様で、立場が同列だと進まないと考えています。誰かが牽引しなければ前に進まない。その誰かは、創薬開発においてはベンチャー企業だと思います。もちろん大企業が牽引車になれないわけではありません。たとえば、社長直轄のタスクフォースを作るといった方法がありますが、ベンチャーのほうが適任です。
宮田 森社長が言及されたように、産学官連携においても、既存の製薬企業やビッグファーマゆえに可能なことがあります。たとえば、保有する成分をre-positioningしたうえで連携による可能性を見いだし、創薬につなげるといった戦略ですが、畑中会長はどのようにお考えですか。

製薬協の畑中 好彦 会長
製薬協の畑中 好彦 会長

畑中 産学官連携を考えた場合、誰がどこでリスクを取るかが重要になると思います。従来の製薬企業は、すべてのリスクを取りながら研究の上流から販売まで自社内で完結してきました。個別の企業で取り切れないリスクである場合は開発を断念してきました。しかし、これからはリスクを同業者、ベンチャー企業、アカデミア、あるいは官にも負ってもらうことで、以前なら不可能と考えたイノベーションが起こせるというイメージをもっています。
宮田 産学官連携において、製薬協はどのような形でリーダーシップを発揮されるのでしょう。
畑中 かつて、日本の製薬企業はどこも同じようなことを行っていましたが、今では独自性を出しながらも、少なくとも製薬協加盟企業は日本を創薬イノベーション基地にするための環境を作るという同じ方向を見ています。そのために、業界内での取り組みにとどまらず、医療にかかわる諸課題に対する製薬協の立ち位置を明確にしたうえで、行政に対しても意見を述べていこうと考えています。

インセンティブ確保と人材の育成

宮田 末松理事長、AMEDの創薬イノベーション推進戦略について、なにか付け加えておくことはありませんか。
末松 CiCLEの出資金は、年度という切れ目なしに使えますので、必要な人材の育成のための活用が可能になると思います。もう1つ付け加えておきたいのは、畑中会長も触れられましたが、インセンティブです。研究開発の成果として効率化が図られたとします。ここでの効率化は費用対効果の向上や劇的な改善効果等を意味し、その評価に基づいて関係者に還元されるものがインセンティブです。AMED内では、この仕組みを「政策パッケージ」と称し、インセンティブとしては新規研究費予算の確保、データ保護期間の延長、備蓄を見据えた製品購入等を各省とも相談のうえ検討しています。
宮田 欧州連合では、開発された製品が社会貢献を果たした場合、出資金の返済が免除される「Social Impact Bond」という制度を導入しているようです。私がかかわる研究チームは、価値のあるデータの収集が継続できる環境を作るために、在院日数を劇的に短縮できるような治療法に対してインセンティブを設ける方法について研究しています。また、人材育成というお話しがありました。この点について、パネリストの方々のご意見をうかがいたいと思います。
森光 厚生労働省は、治験中核病院や臨床研究中核病院を認定し整備していますが、その質を支えるのは人ですので、人材育成の重要性はよく認識しています。どのような育成支援ができるのかについては、目下検討中です。
 ベンチャー企業としては成功事例を積み重ね、1人でも多くの参画者を募ることが人材育成につながると考えています。
宮田 起業に興味のある日本の学生の割合が、米国に比べて絶望的に低いという調査結果があると聞いています。森社長がベンチャー企業を立ち上げたきっかけはどのようなものだったのですか。
 もともと社内ベンチャーを立ち上げようと考えてビール会社に就職したこともあり、米国でベンチャー企業の活動を見ているうちに自分で作ってみようという気持ちになりました。
宮田 製薬企業にはさまざまな人材がいて、これからはMRの役割も変容していくように思われますが、人材育成についてはどのようにお考えですか。
畑中 イノベーションの創出においては、人材育成と同時に個人や組織のマインドセットも重要だと考えています。これを企業として整えたうえで産学官連携を通じてさまざまな人材と接触していけば、その方々との相違を理解し、柔軟に対応し、最終的にはマネジメントできる人間に育つと考えています。

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