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科学技術館新展示室『くすりの部屋―クスリウム』完成記念講演会を開催
テーマは「学校教育における医薬品の教育への期待と課題」
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時を同じくして薬事法が改正され(2008年6月施行)、「一般用医薬品・OTC医薬品」が需要者(消費者)自らの判断により購入し使用されるものと定義されましたが、この改正にあたって、新たな一般用医薬品の販売制度において消費者が医薬品を適正に使用することができるよう、知識の普及や啓発のための施策の充実を図ること、および学校教育においても医薬品の適正使用に関する知識の普及や啓発に努めることとの付帯決議が国会でなされました。
 振り返りますと旧学習指導要領では、医薬品の教育は高等学校の「保健体育」で取り扱うことになっていましたが、小学校・中学校では取り上げられていませんでした。このような状況の中、2008(平成20)年に改訂された新中学校学習指導要領に「保健・医療機関や医薬品の有効利用」の項目で、「医薬品には、主作用と副作用があることを理解できるようにする。医薬品には、使用回数、使用時間、使用量などの使用方法が有り、正しく使用する必要があることについて理解できるようにする」ということが盛り込まれました。一方、2009(平成21)年に改訂された新高等学校学習指導要領には、「地域の保健・医療機関の活用」の項目で、「医薬品には、医療用医薬品と一般用医薬品があること、承認制度により有効性や安全性が審査されていること、及び販売に規制があることを理解できるようにする」に加えて、「個々の医薬品の特性を理解した上で使用法に関する注意を守り、正しく使うことが必要であることを理解できるようにする」ということ、さらに「副作用については、予期できるものと、予期することが困難なものがあることにも触れるようにする」ということが盛り込まれましたが、これは画期的なことだと思います。
 学校教育でこのように医薬品の教育が取り上げられたということは、医薬品を社会に貢献できるものとしていくために非常に有意義なことですが、課題もあります。中学校でも高等学校でも「保健体育」での医薬品の教育はその内容・ボリュームからみて時間数がまだまだ足りないと思わざるを得ません。
 このような状況ではありますが、中央教育審議会「健やかな体を育む教育の在り方に関する専門部会」では、すべての子どもたちが身に付けているべきミニマムとして、情報を正しく理解し知識を行動に結びつけることで「医薬品の有効性や副作用を理解し、正しく医薬品を使うことができる」ようになることを医薬品の教育の到達目標にすることとしています。
 その後2014(平成26)年に薬事法を改正した「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が施行されましたが、医薬品の安全対策強化がこの改正の目玉であり、背景には血液製剤による薬害肝炎の発生がありました。その第一条の6に「国民の役割」として「医薬品等を適正に使用するとともに、これらの有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならない」との記載があり、これは学習指導要領改訂の内容とまったく同じもので、子どもから大人までこの医薬品の適正使用に関する「国民の役割」が法的に求められることになりました。

クスリウムでの展示について

子どもたちに対する教育で一番大事なこととして最初に教えるのは、セルフケアと医療ということです。医薬品に頼る前に、まずはバランスの良い食事・適度な運動・十分な睡眠という健康三原則で健康を保つことで自然治癒力を発揮できるようにしておかなければなりません。それでも病気になってしまったときに初めて医薬品あるいは医療が登場することになるということを最初に理解してもらうことを大事にしています。
 次に、どうしても医薬品を使わなければならない病気があることを理解してもらったうえで、医薬品には効果・利益をもたらす主作用(ベネフィット)と不利益をもたらす副作用(リスク)があるが、副作用は医薬品を正しく使うことで最小化でき、正しく使うためには情報が必要であるということを教えています(図2)。以上のことは「クスリウム」の展示ゾーンCで説明しています。

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