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「医療情報データベース利活用シンポジウム」を開催
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医療情報データベースの活用事例について、実際に苦労している点は?

阪口氏は「データソースの適切な選定が一番大事である。レセプトデータと会計データとで、得られるデータが異なることもあるため、リサーチクエスチョンに対応できる商用データベースの選定が重要であり、当たり前のことと思われることでも最初は逐一ベンダーに確認すべきである」と、述べました。
 また、石黒氏は、「臨床試験と異なりすべての患者が含まれるため、対照群の適格集団や除外症例、期間の設定が難しい。計画書を吟味するうえで、フローチャートなどで確認することが有用である」とアドバイスしました。

参加者からの事前質問、当日会場からの質問

「比較対照群の扱いで想定される問題やルール決めは?」という質問については、PMS部会TF3で実施した「データベース活用状況アンケート」の結果でも「該当品目に打撃を与えることになることもあり得るのではないかが不安である」などの意見もあり、白ヶ澤リーダーは「2018年の運用開始前に業界内でルールを提案し、PMDAと検討を行っていくことも必要ではないかと考えている」とコメントしました。それに対して、宇山室長、石黒氏は「基本的な考え方として対照群は設定してほしい。今後業界側でルール決めを行う中で、何かあればWT3を通じて行政側で検討していく可能性はある」と述べました。
 「医療情報データベースを利用して自社とは異なる結果が他社から示された場合の対応はどうすべきか?」という質問に対しては、阪口氏が「何らかの対応は必要だと思われるが、1つの研究で結論を述べるのは難しく、サイエンスベースで議論を行い、複数の研究結果の積み重ねで結論を出していくのがよい」とコメントし、さらに石黒氏からは「異なるデータベースを使用すれば、異なる結果が得られることもあり得るため、要因を検討し、必要に応じてさらなる調査を行うべきである」とコメントがありました。

企業として準備できることは?

石黒氏、白ヶ澤リーダーより「まずはデータベースやデータに触れてみることから始めるとよい。また、社内の組織体制、手順書の整備も必要となる」とコメントがありました。

今後、行政から企業へ、あるいは企業から行政へ、医療情報データベースの利活用に期待することは?

行政から企業へ期待することとして、石黒氏は「医療情報データベースが加わることで、追加の安全性監視計画が変わっていくため、この変化に対応するためのマインドセットと、科学的に有用な医療情報データベース研究を実施するための体制を整えてほしい」と述べました。
 企業から行政へ期待することとして、宮崎氏、阪口氏より「MID-NETの概要を示してほしい」、「データベースの選択理由を説明するのに十分な情報を提示してほしい」、「多くの会社がデータベースを利用することでデータベース自体も発展していくため、コストについても考慮してほしい」などの要望があり、それに対して、宇山室長は「皆さんからの意見を踏まえて検討していく。MID-NETについては情報公開していきたい」と述べました。

最後に

宇山室長からは「日本初の承認では、日本が率先して市販後の安全性評価を実施することになる。効率的で高いエビデンスが求められるため、医療情報データベースは大きな役割をもっている。2018年まで残された時間は少ないため、本シンポジウムをきっかけに、各社で医療情報データベースを利用するにはどうすべきかの議論を本気で始めてほしい」とのコメントで、本シンポジウムを締め括りました。
 PMS部会としては、GPSP省令の改正に備えて会員会社の方々が実際にデータベースを利用できるようなワークショップの開催を検討します。

医薬品評価委員会 PMS部会 柏木 有紀

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