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「第28回 製薬協政策セミナー」を開催
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図4 薬剤費の国民医療費に占める割合
図4 薬剤費の国民医療費に占める割合

この薬剤費の国民医療費に占める割合を算出すると、2006年から2014年においてはおおむね21~22%台で推移しています。すなわち、ジェネリック医薬品の使用が促進され、長期収載品の薬価が下げられているにもかかわらず、国民医療費に占める薬剤費の割合に目立った増減が示されていないのです。その理由として、新薬に対する薬価の配分が増えていることが推察されます。これがジェネリック医薬品使用促進等の政策効果を相殺するため、薬剤費を抑制できないと考えられます。

サプライ・サイドへの支援がより重要

わが国の産業の中で、医薬品産業は極めて重要な産業の1つと考えています。したがって、その競争力を強化させる産業政策は大変重要です。しかし、産業政策によって国内の医薬品産業の競争力を強化することは、薬価基準制度を含む医療保険制度、あるいは医療保険政策とはなじまないと、私は考えています。なぜならば、医療保険政策は国内外を問わず、安価で良質な医薬品を患者さんに届けることが最大のミッションだからです。新薬創出・適応外加算の便益は、国内企業だけが享受しているわけではありません。その一方で、薬事承認や薬価で国内企業だけを優遇することは典型的な非関税障壁であり、フェアトレード違反です。そもそも、保険財政に制約があることを踏まえれば、薬価を高く設定して研究開発を支援しようとすることにはおのずと限界があります。
 そこで、医療保険政策や薬価基準といった出口(川下)の部分ではなく、サプライ・サイドという川上への支援が重要だと思います。産学連携促進、ベンチャー振興、あるいは研究開発への減税措置などで支援していくことが、わが国の医薬品産業の発展には非常に重要ではないかと考えています。特に、医薬品の輸入比率が上昇し、高額医薬品の申請者に占める外資系企業の割合が増加している現状を、わが国の製薬企業の競争力低下を示唆しているものと捉えるとすれば、サプライ・サイドへの有効性の高い対策は急務であろうと思われます。

医療をめぐる現行制度の見直しを

近年は、医薬品の高額化も取り沙汰されています。しかし、オーファン・ドラッグのように、もともと供給を維持するために高薬価にする必要がある医薬品もあります。ですから私は、高薬価の医薬品のすべてが問題だとは考えていません。検討すべき課題の1つは、適応範囲が非常に広く、医療保険財政への影響が大きい医薬品をどう取り扱うかです。もう1つは、新薬を低コストで開発、生産することにインセンティブを与える制度の導入です。特にバイオ医薬品のような開発や製造にコストがかかる新規医薬品については、コスト削減に対するインセンティブを与えることが、研究開発推進への意欲の向上にもつながると思います。新規医薬品の薬価算定法である原価計算方式や類似薬価比較方式、あるいは高額療養費制度、医療費の出来高払い方式、包括支払い制度における高額医薬品の除外、また新薬創出加算など、どれもそれぞれの意義がありますが、それらは高薬価を認め、高薬価の維持を容認するような仕掛けでもあります。医療をめぐるさまざまな現行の制度をもう一度見直すことも重要ではないかと考えています。

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