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臨床試験の被験者レベルデータの共有
-現代的製薬企業であること- それには臨床試験の情報公開プログラムを欠かすことができない
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これらのドキュメントは互いに参照しながら、各団体の専門性を活かして作成されており、競合的にデファクト・スタンダードを目指したものではありません。なお、PhUSEのDe-Identification Standard for SDTMでは、臨床試験データの標準であるSDTMの具体的な変数を評価し、「各変数にどのような非特定化手法を適用すべきか」について、その標準処理を提案しており、製薬企業のデータサイエンス部門にとって技術的に参考になると思います。

おわりに

本報告ではCTDSについて、その概要や日本での製薬協の取り組み状況を述べました。CTDSを導入するかしないかは各企業の判断であり、強制されるものではありませんが、製薬企業にとって非常に重要な課題であり、十分な議論が必要です。しかしながら、日本では審査報告書などが公開対象となっていたこともあり、臨床試験に参加した被験者のデータ共有の意義について、広く熱心に討議されている状況とはいえませんでした。試験結果概要のWebサイト開示に加え、被験者レベルデータの共有を行うことについて、臨床試験の透明性確保やデータ公開のリスク/ベネフィットの観点からの論議が、日本国内で十分行われないまま、海外で決定された内容がそのまま形だけ導入されてしまっては、CTDSの誤解・誤用に基づく無駄な議論のための機会損失やデータ公開時に必要な非特定化処理の技術的なミスによるプライバシーの侵害などを招き、海外からみて「日本の企業や研究者と臨床試験データを共有することに懸念を抱かせる」状況につながりかねません。こういった事態を防ぐとともにCTDSによる恩恵を最大化することは、被験者データを収集する製薬企業の責務であるといえます。JPMA-DS部会はCTDSのデータ非特定化処理を中心とした議論を今後も継続し、技術的な側面から日本におけるCTDSの推進に貢献していきたいと考えています。

 ※脚注のURLは2016年3月23日現在のものです。

医薬品評価委員会 データサイエンス部会 東別府 洋一(推進委員)、竹内 久朗(推進委員)、
井槌 美奈、加藤 智子、青木 真、大塚 渉、澤田 克彦

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