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臨床試験の被験者レベルデータの共有
-現代的製薬企業であること- それには臨床試験の情報公開プログラムを欠かすことができない
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・臨床試験によってもたらされる便益を最大化する一方、臨床試験データの開示によるリスクを最小化する。
・データ開示の対象となる参加者1人ひとりを尊重する。
・臨床試験、さらに試験データの共有に対する社会の信頼を高める。
・臨床試験データの共有化を進めるにあたっては、公正性をもって行う。
 また、同様に示された「推奨事項(Recommendations)」[17]を要約すると以下のようになります。

1. 臨床試験の関係当事者は、データ開示は当然なされるべきことという文化を醸成するべきであり臨床試験データを開示することによってもたらされる便益の最大化とリスクの最小化に、責任をもって邁進する。
2. 治験依頼者と治験責任医師は、各種の臨床試験データを、規定の時期までに開示する。
3. 慎重に扱わなければならない臨床試験データを開示する場合、ガバナンスに無関係な一般の人々を含めた独立審査委員会の任命など、臨床試験データの所有者は運用面でしかるべき方策を講じる。
4. 研究のスポンサーは、信頼性の高い中立的な機関の協力のもと、多様な関連団体と協働して、臨床試験データの共有化に伴うさまざまな重要課題に継続的に取り組む。



EMAは誰と何を議論してきたか

規制当局として現在最も積極的にCTDSを推進しているのがEMAです。EMAは、CTDSへの取り組みを2012年4月にPLoS Medicineに投稿された論文“Open Clinical Trial Data for All? A View from Regulators“[18]で最初に表明しました。この論文は同じ号にアカデミアのグループ(Johns Hopkins大学Peter Doshi氏ら)からCTDSを求める内容で投稿されていた“The imperative to share clinical study reports: recommendations from the Tamiflu experience“1[19]に呼応する内容となっており、今後データ公開を進めるために以下の3点に関する議論を進める必要があると提案しています。

1. 個人データ保護の適切な標準の構築と合意
2. 規制的な対応に値するメタアナリシスやそのほかデータ再解析に関する標準品質
3. データ公開実施のルール



2012年11月22日に、EMAが主催するCTDSに向けた初めての公開ワークショップ“Workshop on access to clinical-trial data and transparency“ [20]が開催されました。ワークショップでの議論の内容はWorkshop reportとして公開されています。WorkshopのclosingにはEMAより、CTDSに関するポリシーを2014年1月に施行するための行動計画が示されました。
 このスケジュールに従い、2013年6月にCTDSに関するEMAのドラフトポリシー“Policy on publication and access to clinical-trial data :Policy 0070”[21]が公表されました。その後のパブリックコンサルテーションにおいて1000を超えるコメントがドラフトポリシーに寄せられました。2013年12月の協議委員会においてこれらのコメントがポリシーに与える影響を協議した結果、データ公開は段階的な方法をとり、第1段階としては、適切な編集がされた臨床試験報告書の公開準備を軸として最終ポリシー作成を進めることが合意されました。さらに、データが不正に商業的に利用されるリスクへの対策も考慮することが合意されました。
 このような経緯の後、2014年10月に最終ポリシー“Policy on publication of clinical data for medicinal products for human use :Policy 0070”[22][23]がリリースされました。2013年12月の協議結果通り、第1段階である臨床試験報告書の公開についての記載が主となっています。表3に、概要を示します。

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