製薬協について 製薬協について

Topics | トピックス

最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前 pdf
173号タイトル
トピックス画像
前へ12345678次へ
「製薬協メディアフォーラム」を開催
テーマは「最新のがん治療 ―がん免疫療法―」
line03 line03 line03

さらに、このシグナル2も巧妙にコントロールされています。シグナル2は共刺激シグナルと呼ばれ、このシグナル2にかかわる分子だけでも数多く存在し、それらの多数の分子により免疫応答は巧妙にコントロールされています(図3)。

図3 免疫チェックポイント分子

図3 免疫チェックポイント分子

図3において、抗原提示細胞上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に抗原がのり、TCRでそれを認識する(シグナル1)。それ以外の分子はすべてシグナル2にかかわる物質です。

抗CTLA-4抗体と抗PD-1抗体

今、臨床応用されているCTLA-4、PD-1は抑制性のシグナルをT細胞に伝える分子です。抗CTLA-4抗体および抗PD-1抗体は、この抑制シグナルを外すことで強い免疫能を発揮させようとするものです。日本では、抗PD-1抗体が最初に承認されましたが、世界では抗CTLA-4抗体が先に承認されました。その後、LAG-3やCD137、GITRなどに対して、数多くの治験が日本を含む世界各国で開始されています。
 すでに日本でも承認されている、抗PD-1抗体と抗CTLA-4抗体について話をしていきたいと思います。抗PD-1抗体、抗CTLA-4抗体は各種のがんに対する治療法として科学的なエビデンスが得られています。たとえば肺癌、悪性黒色腫、腎細胞癌などでは、第III相試験の盲検試験によって明らかに既存の治療を上回ることがわかってきています。今後、各種のがんで承認されていくことが期待されています。
 T細胞はTCRを介したシグナル1とCD28を介したシグナル2が伝わることにより活性化されます。活性化されたT細胞は標的を攻撃しますが、標的が駆逐された後免疫応答は終息に向かいます。このとき活性化されたリンパ球にCTLA-4が発現します。このCTLA-4はCD28分子と競合することにより、シグナル2を抑制しT細胞の活性化を止めます。このようにして免疫応答が過剰に進まないように、活性化を止めるための抑制分子が存在しています。興味深いことですが、CTLA-4とCD28の競合は、CTLA-4のリガンドに対する親和性が極めて高いため、CD28は必ず負けて活性は抑え込まれます。それだけ、免疫抑制は絶対的なものだということです。抑制分子のCTLA-4からのシグナルがT細胞内に伝わらないようにブロックすることにより、リンパ球を再活性化させるというのが抗CTLA-4抗体の効果の1つです。

前へ12345678次へ
最新号目次へ 既刊号一覧2014年5月以降2014年3月以前

このページのトップへ