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国内製薬企業の低分子化合物特許の公開件数の推移
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物質特許を中心とする低分子医薬品の特許は、企業の創薬研究者の日々の絶え間ない努力により発見された医薬品候補となる低分子化合物の重要な技術情報が含まれており、特許出願後の一定期間を経て公開されます。公開された低分子医薬品の特許は、企業の創薬研究の技術情報や低分子創薬の研究状況の一端を把握できる有用な情報源として捉えることができます。そこで、特許協力条約(Patent Cooperation Treaty、PCT)を利用した国際出願により公開された特許をもとにして、低分子創薬の研究状況の調査を行いました。今回は、国内内資系製薬企業における低分子化合物が含まれる特許の件数と年次推移について、さらには、確認できる範囲で把握した低分子創薬標的のトレンドについて紹介します。

医薬品関連分野の公開特許件数

最初に、世界の全技術分野と医薬品関連分野の公開特許件数の年次推移を調査しました[1]図1に示すように、1990年代からのPCT加盟国数の増加に伴い、世界の全技術分野での公開件数は増加を続け、2009年からは減少したものの2011年からは再び増加し、2014年の公開件数は過去20年間で最高の23万9540件でした。一方、世界の医薬品関連分野の公開件数は、2003年まで増加し、その後2008年までは2万件前後で推移した後に減少に転じました。

mark [1]
世界の全技術分野の公開特許件数は、トムソン・ロイター社の特許データベースであるThomson Innovationに登録されているPCT国際公開公報の全件を抽出・集計したものであり、その中から国際特許分類(International Patent Classification、IPC)のA61Kコードを指標に抽出・集計したものを世界の医薬品関連分野の公開特許件数とした。

図1 世界の全技術分野と医薬品関連分野の公開特許件数(1995~2014年)

図1 世界の全技術分野と医薬品関連分野の公開特許件数(1995~2014年)

次に、国内内資系製薬企業15社[2]の全技術分野と医薬品関連分野の公開特許件数[3]の年次推移を調査しました。図2に示すように、全技術分野での公開件数は、2002年まで増加を続けた後に減少傾向を示しました。医薬品関連分野は全技術分野の公開件数の60~70%を占めており、全技術分野での公開件数と同様の推移を辿っています。2014年は284件であり、ピーク時の2002年と比較して61.9%減少しており、図1で示した世界の医薬品関連分野と比較しても、近年の公開件数の減少幅は大きいことがわかりました。このように国内内資系製薬企業における近年の医薬品関連分野の公開特許件数は顕著に減少している状況が確認されました。


mark [2]
2013年度の医療用医薬品連結売上高が1000億円以上の研究開発型企業として、武田薬品工業、大塚HD、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、中外製薬、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、大正製薬HD、塩野義製薬、協和発酵キリン、参天製薬、小野薬品工業、Meiji Seika ファルマ、キョーリン製薬HDの15社を選定した。
mark [3]
国内内資系製薬企業の全技術分野の公開特許件数は、Thomson Innovationに登録されている各製薬企業の国際公開公報の全件を抽出・集計したものであり、その中からA61Kコード(医薬品分野を含む分類)を指標に抽出・集計したものを国内内資系製薬企業の医薬品関連分野の公開特許件数とした。
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