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さらなる個別化医療用医薬品の開発に向けて
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図1 今後この分野で活用が期待される技術

図1 今後この分野で活用が期待される技術

タスクフォースからの提言

 これまでの調査結果に基づき、タスクフォースより以下の提言を行います。
 開発の初期段階で予測因子とその閾値を特定することにより薬剤の開発成功確率が向上することは明らかですが、現状と しては予測因子の探索が開発段階で十分に行われているとはいえません。そこで、バイオバンキング等のレトロスペクティ ブ研究のいっそうの拡充はもとより、オンターゲット由来で予測因子が明らかな場合は、開発の初期段階で個別化医療用医 薬品として必要な情報を取得するための臨床試験を企画すべきと考えます。その薬剤のベネフィットを最大限に享受できる 集団を早期に特定することで以下のような利点があり、薬剤の価値を最大限に高めることも可能になると考えられます。

不必要な患者への曝露を少なくすることで薬剤のベネフィット・リスクバランスが向上する(誤って陽性と判定されてしまう患者への不必要な薬剤曝露の回避、あるいは誤って陰性と判定されてしまう患者への治療機会の損失を小さくすることができる)。
対照群との治療効果の差が増大し、全体集団で試験を実施するよりも小さなサンプルサイズで試験を成功に導くことが可能となる。

予測因子の探索が開発の初期段階で十分に行われるようになるためには、有益な治療のための予測因子を見出すための 技術(臨床試験デザインを含む)の開発やその導入の医学的意義を普及させるだけでは不十分であり、より有益な治療のた めの予測因子を見出した医薬品に対して、その功績に見合うインセンティブが必要と考えられます。具体的には治療対象を 限定せずに承認を取得するよりも、本来望ましくない治療対象を適切に特定し除外した場合にメリットが生じる枠組みが必 要と考えられます。予測因子の測定方法が新規の手法である場合には、臨床での意思決定に必要なタイミングで検査結果 が得られるようなインフラの整備も当該薬物の承認までに必要であり、検査方法の開発が律速となり新薬の承認が遅れるよ うなことがあってはならないことからも、できるだけ早いステージで予測因子を見出すことが重要です。 一般的にProof of Conceptが未確認の初期のステージにある開発品はその後のステージへの移行が不確実なため、できるだけ投資を控えよう とする傾向にあります。しかしながら、開発初期からの個別化医療のためのバイオマーカー探索およびゲノム等の情報収集 が先行投資として見合うようになれば、わが国における個別化医療はいっそうの発展を遂げると確信しております。

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