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「第68回 世界保健機関(WHO)総会」開催される
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(2)薬剤耐性(Anti-Microbial Resistance、AMR)に関する世界行動計画

極めて重要な国際保健課題として、先進国、新興国、開発途上国のいずれもが直面している薬剤耐性菌の拡大が問題となっています。
 AMRに対する世界的な対策の推進に向けた機運が高まる中、今回の総会においては、AMRの世界行動計画(WHO Global Action Plan on Anti-Microbial Resistance)が採択され、議場は拍手喝采となっていました。同計画は、1.AMRに関する認知・理解の向上、2.サーベイランス・研究を通じた実態把握の強化、3. 感染発生率の低下、4. 抗菌薬などの適切な使用、5. AMRに取り組むための持続的な投資の確保の5本柱で構成されています。
 AMRを取り巻く課題はさまざまで、動物薬や食料農産物関連の国際獣疫事務局(International Epizootic Office、OIE)や国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization、FAO)と協働して取り組む課題もあります。
 新薬開発という点についていえば、AMRが増加する一方で開発中の新規抗菌薬の数は十分とはいえず、革新的な抗菌薬に対する社会のニーズと医薬品パイプラインの現状とのギャップが指摘されています。加えて、今次総会では、製薬企業による医薬品のマーケティング活動を、抗菌薬などの不適切な使用拡大の一因として指摘する声も挙げられています。医薬品の研究開発、提供の担い手として、製薬会社にもこういった国際保健課題を踏まえた適切な対応が求められています。

(3)公衆衛生、イノベーションおよび知的財産に関する世界戦略と行動計画
(Global Strategy and Plan of Action on Public Health, Innovation and Intellectual Property、GSPoA)

顧みられない熱帯病をはじめとする開発途上国特有疾患の医薬品などの研究開発の重要性は国際保健において強く認識されているものの、その対策に向けた資源(開発費や人材)が世界的に不足しています。GSPoAはこうした状況を踏まえ、関連するイノベーションや技術移転の推進、知的財産の適切なマネジメントなどを促進することを目的に、2008年のWHO総会で採択された文書です。
 本計画には「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights、TRIPS協定)」の解釈の柔軟性、医薬品の価格低減策や後発品促進策、研究開発投資と医薬品価格の切り離し、開発途上国への技術移転促進、特許プールなど、製薬産業とかかわりの深い医薬品アクセス向上のための提言が多数含まれています。
 今回の総会においては、本文書の評価とレビューについて、以下の3点について合意されました。
 ● 2015年までの実施計画期間を2022年まで延長する。
 ● GSPoAの活動評価を2015年6月より開始し、その結果を2017年1月のWHO執行理事会において報告する。
 ● 上記の評価とは別途、GSPoAに関する全体レビューを2017年初旬に開始し、その進捗を2017年5月予定のWHO総会で報告し、最終結果を2018年のWHO総会に報告する。
 上記のGSPoAの全体レビューは18名の専門家からなるパネルにより実施するとされ、専門家の選定は加盟国からの推薦を踏まえ、WHO事務局長のマーガレット・チャン氏が決定するというプロセスで合意されています。

(4)世界規模でのワクチン供給計画(Global Vaccine Action Plan、GVAP)

2012年のWHO総会で採択された「世界規模でのワクチン供給計画(GVAP)」の進捗について報告があり、開発途上国における予防接種拡大計画などの合意された目標に対する活動進捗の遅れを懸念する声が多くの加盟国から挙がっていました。こういった状況下、リビアより開発途上国・新興国におけるワクチン価格の引き下げや価格の透明性を高める努力を求める決議案が総会会期中に提案されました。
 議論開始の直前に決議案が共有されたことから、対処方針の検討時間が十分に取れないとの懸念がいくつかの国から挙げられましたが、多くの開発途上国、先進国を交えた議論を経て、決議案が採択されています。本決議文書では、今後WHOがワクチン価格のモニタリングを実施するため加盟国に対しWHOへワクチン価格の開示・共有を求めるとともに、開発途上国などにおける共同調達(pooled procurement)の推進を促すなど、ワクチンへのアクセス改善と価格の透明性を高めるための取り組みが進むことが予想されます。

(5)エボラ出血熱への対応

WHOは、昨年発生した西アフリカにおけるエボラ出血熱患者急増への対応の遅滞から、国際世論の強い批判の的となってきました。そのような中、1月のWHO執行理事会ではエボラ出血熱を議題とした特別セッションが設けられ、WHOのエボラ出血熱発生への対応に関する専門家による評価の実施などが決議されています。

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