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「2015 ライフサイエンス知財フォーラム」を開催
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従来の狩猟採取型オープンイノベーション(出典:アクセンチュア)は、開発後期のものが対象となるので、他社との競合が激しく、資金にゆとりのない企業には不向きです。一方、最近注目されている農耕型オープンイノベーション(出典:同上)は、自社資源のオープン化により、新たなコラボレーション体制を構築するとともに、研究初期段階から協働することで、これまでにないイノベーションを創出することが可能です。
 アステラス製薬が取り組んでいる農耕型オープンイノベーションの例をご紹介します。産官学連携としては、製薬企業は企業ニーズを開示し、潜在的パートナーを求める公募システムを運用しています。また、産産連携の例としては、昨年4月からアステラス製薬と第一三共は各々40万化合物のライブラリーの交換を開始しました。自社ハイ・スループット・スクリーニング(HTS)の限界を補い有望標的に対するヒット化合物を確実に取得するためには日本の製薬企業間の化合物相互利用は急務だと考えます。また、複数が関与する農耕型オープンイノベーションとして、製薬協を中心に企業が共同で化合物を購入するプロジェクトの検討が進められています。
 日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development、AMED)の設立は産官学連携のあり方に大きなインパクトを与えることになり、連携体制の再考が必要になるでしょう。産業界にとって独創性を生み出す場として魅力的なアカデミアの独創性を創薬に活かすためには、これまでの一対一の連携から、AMED設立が契機となり複数対複数の連携体制へシフトされることが予想されます。そのような新しい産官学連携のモデルが日本発の革新的医薬品創出へ大きく寄与することが期待されます。複雑な連携のもとでの知財のあり方に関しても、これまで以上に深い議論が必要となるでしょう。

〈第2部〉

飯田 香緒里 氏

■ 講演1|医療イノベーションへの展望
〜医学系アカデミアの課題とmedU-netの取組み

東京医科歯科大学 研究・産学連携推進機構 教授

飯田 香緒里

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本日は、医学系産学連携の現状と課題と、医学系産学連携の推進に向けて「医学系大学産学連携ネットワーク協議会(medU-net)」の取り組みについてお話しします。
 医学系産学連携のうち、ライフサイエンスの分野は件数として全体の30%と大きな割合を占めており、また、学術研究機関における医学系研究費のうち、民間企業からの外部資金は約40%と公的な外部資金とほぼ同じ割合になっています。民間支援なしではわが国の医学系研究は成り立たない状態です。このような中で、アカデミアからの特許出願件数は約9000件(うちライフサイエンス分野は約3000件)で出願件数、保有件数ともに増加傾向にあります。また、特許権などの実施件数と収入額も増える傾向にあります。
 ところが、東京医科歯科大学の場合、技術移転の件数とそれに伴う収入の実績は特許よりもむしろマテリアルを対象としているほうが多いという状況があります。製薬企業の意見として、医学系アカデミアとの産学連携で最も重視しているのは基礎研究から生まれた創薬シーズであって、産学連携においてアカデミア特許はないほうが良いという意見もあります。アカデミア発の特許に対する期待が高いとはいえないということが推察されました。
 多様化する産学連携を最適に実施するために、東京医科歯科大学では学術指導契約制度、ジョイントリサーチ講座制度、オープンラボ制度、組織間連携など、新たな産学連携スキームを整備しています。2013年の市販後大規模臨床研究問題発覚以降、医学系の産学連携には透明性の高い活動を、誠実性をもって進める必要があります。

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