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「第21回 環境安全セミナー」を開催
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2. 化学物質管理の動向とNITEの役割

化学物質管理の世界的動向とその背景

2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(World Summit on Sustainable Development、WSSD)では、「化学物質が、人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で、使用・生産されることを2020年までに達成する」という合意が形成されました。WSSD目標への対応の最重要論点は、化学物質固有の危険性のみに着目したハザードベース管理から、環境への排出量(曝露量)を踏まえたリスクベース管理へのシフトといえます。

日本の化学物質管理関連の法体系

わが国の化学物質管理関連の法体系は、大きくは、労働者・消費者への影響(保護)、環境への影響に基づいた体系となっています。最近の国の動きとしては、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」の運用において、新規化学物質の審査制度の合理化(平成25年〜26年)や、「少量中間物等新規化学物質確認制度」の創設(平成26年10月施行)がなされています。また、安全審査において、一部とはいえ定量的構造活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationship、QSAR)の利用が認められたことは画期的な変化と言えます。

化学物質管理におけるNITEの役割

NITEは、化審法関連の業務として、審査関連業務、リスク評価などの実務を担っています。また、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」関連業務として、届出関係、届出データ集計、公表資料の作成を通して、法の啓発促進、自主管理の支援を行っています。

3. リスクコミュニケーション

リスクコミュニケーションは「情報と意見の相互交換」と定義されますが、「信頼」が得られるかがアウトプットとして重要です。化管法の目的として、「事業者による化学物質の自主管理の改善を促進し環境リスクの低減を図る」という点が挙げられます。企業がステークホルダーへ情報を開示することが企業自身の自主努力につながり、結果的に排出削減が可能になると考えられます。事業者には化学物質による環境リスクに関する正確な情報を、地域住民や行政と共有し、相互に意思疎通を図ること(環境リスクに関するコミュニケーションを行うこと)が期待されます。地域住民の「安心」を得るためには、当事者間のコミュニケーションに基づく「信頼関係の構築」が重要であることは言うまでもありません。

企業間のリスクコミュニケーション

最近は事業者(企業)間のリスクコミュニケーションが重要視され、ニーズが高まっています。適切なリスク評価を行うためには、サプライチェーンの上流と下流との情報交換が必要となるためであり、これは、ヨーロッパのREACHにおける製品中の有害物質規制の影響が大きいと言えます。

緊急時のリスクコミュニケーション(クライシスコミニュケーション)

化学物質の漏洩など事故時の対応は、情報が少ない中で判断しなければならないことがあります。事業者としては、いざという時に備えた訓練が必要です。経産省時代に経験した顔料中のPCB副成事案では、「暫定的基準の設定(国際的相場観の提示)」と「全量調査の実施など、今後の対応方針の決定」を直ちに行い、マスコミへ発表した経験があります。この際、リスクの相場観(どの程度のリスクがあるか)に関する情報をわかりやすく説明したことが混乱回避の鍵となったと考えています。

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河本氏から、「企業でリスクコミュニケーションを成功させるためには、日常的な継続したコミュニケーションをベースにステークホルダーとの信頼関係を構築しておくことが重要である」との提言がありました。

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