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「第123回 医薬品評価委員会総会」を開催
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厚生労働省 医政局 研究開発振興課長 神ノ田 昌博 氏
厚生労働省 医政局
研究開発振興課長
神ノ田 昌博 氏

次いで、厚生労働省 医政局 研究開発振興課長の神ノ田昌博氏より、「臨床研究をめぐる最近の動きについて」と題した講演が行われました。
 まず、昨今の治験・臨床研究を取り巻く環境について、「ドラッグ・ラグがほぼ解消されていること」、「医師主導治験を含む治験届出数の状況」、「国際共同治験の届出数の増加」、「予算事業による臨床研究拠点整備の取り組み」が紹介されました。また、2つの倫理指針の統合の背景と、倫理審査委員会、利益相反、モニタリングおよび監査、資料の保管などの統合案の内容も紹介されました。さらに、臨床研究の法制化の検討状況についても説明がありました。

 続く第2部では、医薬品評価委員会の3部会から、部会内で検討されてきた事項から臨床研究に関連したトピックスや、適切な臨床研究の推進に向けた製薬企業の取り組みや提言が発表されました。
 臨床評価部会の田島雅也氏より「新たな臨床試験制度の提案−臨床研究の医薬品開発への有効活用を目指して−」と題して、臨床研究データの医薬品開発への有効活用という視点からアメリカ・ヨーロッパと同様の治験や臨床研究を区別しない新たな臨床試験制度として、「臨床試験の管理に関するOECD勧告」を活用した「リスクベースドアプローチに基づく臨床試験申請制度」(the international Sacral Agenesis Caudal Regression Association、iSACRA制度)が紹介されました。この制度では、臨床試験を公衆衛生に及ぼす影響や被験者へのリスクなどに基づいて分類し、一定以上のリスクがある試験については規制当局へ届出し、試験内容の科学的レビューを行います。この制度の導入により、臨床研究の質が確保されることで臨床研究データの有効活用につながり、今まで以上に迅速に有効な治療法を国民に提供できるようになることが期待されます。
 次に、PMS部会の伊藤国夫氏より「製薬企業による臨床研究の支援のあり方と今後の課題」という最もトピックな話題が報告されました。4月22日に発出された「製薬企業による臨床研究支援の在り方に関する基本的考え方」を受け、コード委員会と共同で作成したQ&Aや解説のキーポイントが説明されました。またPMS部会で実施された支援に関するアンケート結果が紹介されるとともに、さまざまな課題があることが報告されました。
 データサイエンス部会の酒井弘憲氏は、「品質管理、ヒューマン・ファクターの観点からエラーやミスはゼロにすることはできないということを忘れてはならないが、その影響をコントロールすることは可能である」とし、「たとえ、データに誤りがあったとしても、試験の結果や解釈、意思決定を変える必要がないこと」が重要との見解を示しました。さらに、「エラーをゼロにしなければならないという呪縛・発想からの脱却が必要であり、そのためには重箱の隅をつつくような監査などは止めて、エラーの影響をいかに最小限にコントロールするかを考えるべきである。また、できあがりがよければ良いとする出口管理の思想から、プロセスの中でうまくメトリックスを使いながら定期的にチェックを行い、問題点があれば早期に発見し手を打つというプロセス管理の思想に切り替えていくべきである」と強調しました。


終わりに

総会の終わりにあたり、医薬品評価委員会 委員長の稲垣治氏より、「吉村先生のご講演を受けて、製薬企業としても臨床研究・治験でのデータの質の向上に継続的に取り組むとともに、臨床研究支援を含め研究機関との関係の透明性向上に努め、治験・臨床研究の信頼性確保を図っていく」との閉会の辞で、総会を終えました。
 冒頭にも触れた通り、臨床研究・治験は医療の発展のために欠かすことができません。臨床研究・治験が不可欠であるからこそ、その信頼性の確保は極めて大切です。本シンポジウムの参加者のみならず、臨床研究にかかわるすべての人たちが昨今の事案を真摯に受け止め、信頼性の確保に向けてより積極的に取り組んでいくことを期待します。

医薬品評価委員会 東宮 秀夫

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