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製薬企業によるIFRS(国際会計基準)任意適用
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ビジネスのグローバル化に伴い、企業とそのステークホルダーは多国籍化し、事業活動を行ううえで適用され遵守すべき法令やガイドラインなどのルールは、本社機能が置かれている1ヵ国のものにとどまりません。その結果、企業と その多くのステークホルダーが国境をまたいで複数国間で円滑にビジネスを行えるように、全体最適の視点に立った新たなルールが段階を踏みながら整えられていきます。医薬品業界ではICHが典型的な例ですが、産業界全体にかかわるルールの一つにIFRS(国際会計基準)が挙げられます。今回、IFRS適用が企業会計にもたらす影響について、日本の製薬企業を例に調査を行いました。

IFRS(国際会計基準)と日本の製薬企業

 IFRS(International Financial Reporting Standards)は、国際会計基準審議会(International Accounting Standards Board、IASB)が世界中で利用可能な共通の会計基準として作成しているもので、一般的に「国際会計基準」と呼ばれています。従来、各国が個別に標準化した会計基準を定め、自国上場会社に対してその運用を展開してきましたが、世界市場のボーダーレス化が進む中、上場地域にかかわらず企業実態の透明性と比較可能性を高めることが主に投資家のメリットに資するという側面から、IFRS適用の必要性が議論されてきました。2005年にEUがその域内上場会社に対してIFRSの適用を義務付け、さらに、域外上場会社にも、IFRSまたはこれと同等の会計基準の適用を義務付けたことを受けて、IFRSを自国の基準として採用する動きが加速しました。日本では、自国基準とIFRSとの整合性を図る対応を進めてきており、現在のところ強制適用とはなっていませんが、上場会社の判断に基づく任意適用が可能です。
 東京証券取引所(以下、東証)のホームページによると、2013年度期末時の決算短信より従来の日本の会計基準(以下、日本基準)からIFRSの適用に変更した会社、および2013年4月1日以降に新規上場した会社を含め、現在のIFRS適用会社は36社(一部上場35社、マザーズ上場1社)となっています。また、今後IFRSの適用を予定している会社は10社で、いずれも一部上場会社です(2014年11月現在)。
 2012年度期末決算短信を発表した会社を集計した東証のデータに基づいて、一部上場のIFRS適用会社35社を対象に、業種別にIFRS適用会社の比率を比較しました。図1に示すように、医薬品以外の業種では適用予定会社を含めてもすべて10%未満(1~9%)であったのに対し、医薬品業では、IFRS適用会社の比率は15%、適用予定会社を含めると21%と突出して高いことが判明しました。

 図 1 業種別IFRS適用比率(東証一部上場)
図 1 業種別IFRS適用比率(東証一部上場)

平成25(2013)年度決算短信集計【連結】《市場第一部》を基に作成
(出所 : 東京証券取引所ホームページ)

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