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薬事法改正の概要と業界


薬事法改正の概要と業界
―国民に与える影響について―
製薬協 医薬品評価委員会 薬事問題検討小委員会 委員長 石井庸一 氏

 2005年3月3日(木)、東京・製薬協会議室に多くのジャーナリストを迎え、製薬協 メディアフォーラム『薬事法改正の概要と業界/国民に与える影響について』を開催しました。4月1日からの改正薬事法の施行を踏まえ、改正案の全体概況をはじめ、改正による製薬業界と国民への影響について具体的なポイントが、講師の製薬協医薬品評価委員会、薬事問題検討特別小委員会小委員長 石井庸一より解説されました。以下に講演の要旨をまとめました。

●薬事法の変遷と改正の要旨
 薬事法は昭和36年の制定から始まり、当初は医薬品が有効かつ安全であるというのは当然であると考えられ、品質の確保、不良医薬品を取り締まるという点に法の重点が置かれていたとのことです。そのためには一貫製造しなければならないことがベースにうたわれていました。

 以降サリドマイド、スモンなどの問題を経て昭和42年には基本通知が出て、承認審査に提出する資料などが初めて明文化されたのです。また医療用と一般用に区別されるようになったのもこの時でした。さらに昭和54年の改定では有効性・安全性の確保が法律に明文化され、再評価・再審査の制度も法的に確立したのです。そして平成14年の改定では国際的な整合性、社会情勢などが考慮されています。海外企業は研究開発と製造販売のアウトソーシングが進んでおり、日本でも企業が一貫製造でなく、製造を外部委託し研究開発にもっと力を入れるべきとの機運が起こり、この改定に結びついたものと認識しています。

 その改正の要旨ですが、市販後安全対策の強化、製造販売承認制度への以降、生物由来製品の安全性確保、医療機器安全対策の強化などです。15年7月の改定では医師主導の治験も制度化されています。また以前より市場への販売を主眼に置く制度になります。市場における企業責任の明確化、市販後安全対策の充実・強化です。

 製造のアウトソーシング化は、従来から厚生労働省にお願いをしていたことで、国際情勢、社会情勢からも全面委託が認められたことは今回の改正の要点でもあります。

●製造販売業と製造業への分離
 従来は「製造業許可」「製造承認」「品目追加許可」の3条の各要件を満たしていれば、製造した医薬品を世に出すことができました。4月からは「製造業許可」が「製造販売業許可」と「製造業許可」に分かれることになり、前者の許可は本社で取り、後者の許可は工場ごとに取るとこになります。出荷と製造の機能が分離されることになります。

 「製造承認」と「品目追加許可」は「製造販売承認」に一本化され、品質、有効性、安全性、製造管理、品質管理などまとめることになりました。また外国製造業者の認定も今回の改正で盛り込まれ、国が認定することになりました。

 出荷と製造の機能分離ですが「製造販売業」は品目の承認取得、製品の上市、市場に対する品質と市販後安全対策全ての責任を負い、製造所は不要でありますが品質の管理と安全管理部門を持たねばなりません。「製造業」はもっぱら製造のみを行い、試験検査は委託が可能です。ここでは製造部門と品質部門を持ちます。

 製造販売業者は総括製造販売責任者と品質保証責任者を置かねばならず、これは薬剤師でなければなりません。遵守事項としてこれらが製造販売後安全管理責任者ともども相互に連携協力し業務を行なう配慮を払うということがあります。目的は品質の安全強化のためです。

●改正後の製薬企業
 この改正により企業組織も変化します。特に製造販売業の総括製造販売責任者の役割は大きく責任は重くなります。各社の役員クラスの方がなると思われますが、薬剤師でなければならないと決められています。

 安全対策も従来は遵守事項であったものの大部分が許可要件となり厳しくなりました。品質の確保についても現在より詳しく記載されることになり、委受託も安全対策、製造工程についても細かく決められています。

 製造販売承認制度による影響ですが、製造方法の詳細記載による手続きが増加します。また承認にあたりGMP査察を受ける必要があり、これは従来から前倒しになりますので、企業は早い段階でフル生産規模の試作を行わねばなりません。やく3ヶ月ほどの前倒しですが、これからの新薬にとって多少のリスクになると思えます。

 まとめとしては、製造部門の分社化のメリットとして、多品目少量生産による設備負担が軽減されること、生産体制が委託などで柔軟性を持てることなどの効率化が生み出す費用を開発に投入できることです。本質的な安全対策は従来と変わりません。この安全対策への投資ができない企業は、今後製造販売業ではなく、製造業に特化してゆくのではないでしょうか。


 以上が石井委員の講演の要旨でした。講演後に参加されたジャーナリストとの質疑応答があり、盛会のうちに終了しました。

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