治験実施チェックリスト 第5章 治験実施中に実施すること

(2)-4 被験者の管理

<1>他の主治医(他科・他院)への連絡

確認してください。

  • 被験者が来院した際は、他の主治医(他科・他院)の受診状況を確認する。
  • 被験者(代諾者)の同意を得た上で、被験者が治験に参加していることを可能な限り文書で他の主治医(他科・他院)に連絡する。
  • 他の主治医(他科・他院)より、被験者が既に受けている治療、投薬されている薬剤等の情報を入手し、治験参加による変更の有無を確認する。
  • 他の主治医(他科・他院)が実施している治療・処方の変更が必要な場合は、他の主治医(他科・他院)にその旨を要請する。
  • 他の主治医(他科・他院)が実施している治療・処方に変更がある場合は、連絡するよう要請する。

被験者に対する責務(省令GCP第45条第2項)参照

治験責任医師は、被験者が既に受けている治療の中で使用されている医薬品等との相互作用による被験者の健康被害を未然に防ぐため、被験者に他の主治医(他科・他院)がいるか否かを確認し、被験者の同意を得た上で、他の主治医(他科・他院)の下での治療状況や情報伝達方法等を確認しなければなりません。

<2>有害事象の確認

確認してください。

  • 被験者に有害事象が発現した場合は適切な対応ができるよう、以下に示す必要な処置を継続する。

    • 緊急時における被験者との連絡方法の確認
    • 緊急時における治療体制の整備
  • 被験者に有害事象が発現していないかどうかを随時確認する。
  • 有害事象が発現していることを確認した場合は、(2)-6を参照し以下の通り対応する。

    • 有害事象が発現し、治療が必要となった場合は、被験者(代諾者)にその旨を連絡する
    • 被験者(代諾者)の了解のもと、有害事象に対する適切な対処を実施する
    • 被験者に対応した有害事象への対処内容を記録する
    • 必要に応じ、発現した有害事象の内容、対処方法を他の主治医(他科・他院)へ連絡し、連絡したことを記録する

趣旨(省令GCP第1条)、被験者に対する責務(省令GCP第45条第3,4項)参照

治験の実施に際しては、被験者の人権、安全、福祉に対する配慮が全てのことよりも優先されます。治験責任医師は、治験に関連する医療上の全ての判断に責任を負うことになり、被験者の治験期間中及びその後を通じ、治験に関連した臨床上問題となる全ての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証しなくてはなりません。また、治験責任医師は、被験者に有害事象が生じ、治療が必要であると認める場合には、その旨を被験者に伝え、十分な医療を提供しなければなりません。

<3>被験者の治験参加中止への対処

確認してください。

  • 文書による同意後でも治験の参加を取りやめることができることを被験者に説明する。
  • 被験者が治験参加の取り止めを申し出た場合は、治験を中止する。
  • 被験者の権利を十分に尊重し、可能な限りその理由を確認する。
  • 被験者に、治験参加を取り止めた後の必要な対応を説明し、協力を要請する。

被験者に対する責務(省令GCP第45条第3、4項)参照

被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合又は取り止めた場合、被験者はその理由を明らかにする必要はありませんが、治験責任医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければなりません。

このページをシェア

TOP