会長ご挨拶

絶え間ないイノベーションを生み出すヘルスケアエコシステムの構築を目指して

革新的な新薬創出を活性化・加速化し、世界中の人々の健康と医療の向上に貢献します。

日本製薬工業協会(以下、製薬協)は、研究開発志向型の製薬企業(73社)よりなる業界団体であり、革新的で有用性の高い医薬品の開発と製薬産業の健全な発展を通じて、日本および世界の人々の健康と医療の向上への貢献を目指しています。

人類は今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威に立ち向かっています。このパンデミックの状況下において、我々製薬協および加盟会社は、治療薬やワクチンの早期創製、医薬品の安定供給という研究開発型製薬企業としての使命を改めて強く認識し、活動を進めています。その一方で、今後の未知なる感染症に向けた対策の強化、そして今なお存在するアンメット・メディカル・ニーズを革新的新薬の創出により充足し、国民の命と健康を守るためには、日本の創薬力強化が必須となります。創薬力の強化のためには日本にヘルスケアエコシステムを構築する必要があり、その鍵となるのは日本におけるライフサイエンスクラスターの形成、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのビッグデータ基盤の整備、そしてイノベーションを適切に評価する薬価制度の構築と考えます。

日本が新薬創出国であり続けるためには、最先端の研究を行う人材が集い、革新的なシーズを創出するライフサイエンスクラスターの形成が必要です。製薬企業のみならず、起業家精神旺盛なアカデミアやベンチャーが生み出した革新的なイノベーションが、リスクに見合った評価を受け、特許制度によって知的財産が保護され、そしてその成功事例にならって後進が次々と起業するという環境の構築が不可欠です。製薬産業は、この一連のプロセスにおいて、最先端の創薬技術、大規模な臨床試験や製造のノウハウを生かし、革新的新薬を患者さんへとお届けするために中核的な役割を果たしていきます。

現在、AI、IoTや5Gをはじめとするデジタル技術が急速に進展しています。データとデジタル技術によってもたらされるDXは、新薬のシーズ探索や開発、治験や市販後調査、医薬品の安定供給といった製薬産業への効用のみならず、疾病の予知・予防、個別化医療、ひいては国民の健康寿命の延伸にもつながり、社会全体に大きな利益をもたらす力を持っています。製薬協はヘルスケア分野のDXのハブとなって、異業種のもつデジタル技術やビッグデータ基盤をも融合し、これまでにない新たな価値を生み出し、世界の人々のアンメット・メディカル・ニーズの充足、健康増進に貢献してまいります。

さらに、日本に魅力あるヘルスケアエコシステムが構築されるためには、イノベーションの成果が適切に評価されることが不可欠です。"イノベーションの推進"と"国民皆保険の持続性"の両立に向けて、薬価をはじめとする制度の見直しの議論が進んでいますが、製薬協は、イノベーションの結果として生み出された新薬の価値が適正に評価される制度の実現に向けて、あらゆるステークホルダーの皆様との対話を進めてまいります。

「製薬協 産業ビジョン2025」では、「世界に届ける創薬イノベーション」を掲げ、「志高き信頼される産業になる」ことをビジョンの一つに挙げました。製薬協は今後とも、健康で暮らしやすい社会を実現するための活動に邁進し、変革する社会情勢の中でも強い信頼を得られるよう、私たち自らの変革を進めてまいります。

日本製薬工業協会 会長 岡田 安史 写真

日本製薬工業協会 会長
岡田 安史

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