日本製薬工業協会の会合における適正な競争に関するガイドライン

2015年7月1日

取り組み

日本製薬工業協会(以下「製薬協」という。)は、製薬協の会員会社(以下「会員会社」という。)によるコンプライアンス体制の強化・円滑運営を図るべく、1997年に「製薬協企業行動憲章」を、また2001年に「製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドライン」(同ガイドラインは2011年に改定)を策定し、各会員会社に対し、高い倫理性・遵法精神をもって適切に事業活動を実践することを求めてきた。
この度、製薬協は、2014年11月に国際製薬団体連合会が「適正な競争に関するIFPMA ガイダンス」を策定したことを受けて、新たに行動ガイドライン(以下「本ガイドライン」という。)を策定した。本ガイドラインは、会員会社や製薬協の役職員が、製薬協の主催会合(以下「会合」という。)において、独占禁止法その他の適用される競争法規(以下「競争法」という。)を遵守し適切に団体活動を行うための手引となるものである。
会員会社や製薬協の役職員は、競争法に違反した場合には、厳しい法的制裁や社会的信用の失墜につながる可能性があることを十分に認識し、会合に出席する際には、本ガイドラインを遵守し適切な行動をとらなければならない。

適正な競争に関するガイドライン

1.会合運営に関する事項

  1. 会合の目的は合法的なものでなければならず、会合は競争法を遵守して行うこと。
  2. 議題は会合の開催に先立ち出席者に回覧されなければならず、出席者は回覧された議題に競争法に関する懸念がある場合は、速やかに製薬協の事務局に報告すること。
  3. 製薬協の事務局は、会合の出席者からの報告等により、競争法に関する懸念がある議題(事前配付資料がある場合はそれも含む。)が予定されていると判断した場合は、会合の開催を延期し又は会合に弁護士を出席させること。
  4. 製薬協の事務局は、原則として会合に出席すること。
  5. 会合における討議は、予定する議題の範囲を超えないこと。
  6. 製薬協の事務局、議長及び出席者は、討議の内容について競争法に関する懸念がある場合には、その旨を直ちに表明し、議長は、当該表明があった場合には、当該懸念について弁護士との協議が終わるまで討議を延期すること。
  7. 製薬協の事務局は、会合の議事録を作成し出席者に回覧すること。

2.会合内容に関する禁止事項

会員会社及び製薬協の役職員は、会員会社が販売、購入、提供等を行う製品や役務に関し、次に掲げる事項について、他の会員会社と討議、情報交換等を行わないこと。

  1. 会員各社の価格、価格戦略、価格構成、値引き、クレジット条件、販売コスト、生産コストなど
  2. 会員各社の販売数量、販売能力、生産数量、生産能力、在庫量など
  3. 会員各社の販売地域、生産地域、販売先など
  4. 会員各社の投資計画(設備の投資・廃止、新技術の開発を含む。)、販売計画、生産計画、需要予測、需要動向など
  5. 供給制限、顧客・販売地域の配分、特定の供給業者・顧客に対する不買(売)、再販売価格の拘束など
  6. その他競争法に抵触するおそれのある事項

3.遵守教育

会員会社及び製薬協の事務局は、本ガイドラインをそれぞれの役職員に周知するとともに、本ガイドラインその他競争法に関する研修を必要に応じて実施し、各人の知識向上と意識改革に努めること。

4.議事録等の保管

製薬協の事務局は、本ガイドライン、会合の議題及び議事録、競争法遵守に関する方針・声明その他競争法遵守について確証となり得る書類等を製薬協が別途定める期間保管すること。

本ガイドラインは、2015年7月1日をもって発効する。

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