医薬品評価委員会 講演スライド「副作用情報提供: 次世代に向けた情報提供の在り方」(2025年7月25日、第16回日本製薬医学会 年次大会)

ファーマコビジランス部会

2025年8月

本資料は、以下のシンポジウムにおける講演スライドである。

日本製薬医学会年次大会
「患者さんが必要とする医薬品情報を届けるために ー製薬企業の視点よりー」

革新的な新医薬品の登場に伴い、医薬品の安全性情報提供は、適切な治療の選択と患者さんの安全を守るために益々重要性を増している。製薬企業は医薬品の適正な使用のために必要な情報を提供することが求められており、近年は各社の副作用データベース(DB)の情報を医療関係者やMRが閲覧して情報提供する「副作用DBツール」を導入する企業が増加している。

前半の演題では、2023年に製薬協で実施した「医薬品の安全性情報に関する医療従事者のニーズ把握調査」の結果を報告した。本調査は、医師(252名)及び薬剤師(109名)を対象に、安全性情報入手時に重視する基準と情報源についてのアンケートを行ったものである。調査結果から、医師・薬剤師ともに安全性情報のニーズが高く、副作用の頻度や対処法、発現時期などの情報が特に必要とされていた。一方で、安全性情報入手時に重視する基準や情報源は、診療時間中と診療時間外、そして医師と薬剤師間でも異なる傾向が認められた。本結果を基に、医療現場での安全性情報提供の現状と課題を整理し、より適切な情報提供の在り方について議論した。

後半の演題では、「副作用DBツール」についてアンケート結果をまとめた。2023年10月に製薬協PV部会加盟会社(75社)向けに実施したアンケートでは10社が同ツールを導入済み、10社が導入検討中の状況であった。同ツールの導入に伴い、タイムリーな情報提供の実現や本社への問い合わせ減少などの効果が示されている一方で、課題として、データの独り歩きや誤った解釈の防止などの規制運用を懸念する声が上がっている。本演題では、副作用DBツールを適切に活用するために守るべきルールや注意点について議論した。

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