宣伝会議賞 中高生部門
受賞者インタビュー

宣伝会議賞 結果発表

製薬業界の未来を描く言葉が決定!
「宣伝会議賞 中高生部門」
受賞者インタビュー

概要

日本製薬工業協会(製薬協)は、若い世代に製薬業界への理解を深めてもらう取り組みの一環として、株式会社宣伝会議主催の公募広告賞である第63回「宣伝会議賞 中高生部門」に協賛しました。

 

今回の課題テーマは、「製薬業界がイノベーティブな業界であることを表現するキャッチフレーズ」です。全国の中高生から多くの応募が寄せられる中、協賛企業賞には「まだ見ぬ治療を、未来のあたりまえに。」が選ばれました。

 

「製薬業界という専門性の高いテーマに真摯に向き合い、自らの言葉で表現していただけたことに、深い感謝と大きな希望を感じています」と、日本製薬工業協会(製薬協)会長の宮柱明日香(武田薬品工業株式会社)は話します。

 

本記事では、協賛企業賞に選ばれたキャッチフレーズの背景や受賞者の思いを紹介し、さらに中高生ならではの新鮮で鋭い視点から新たに設けられた独自賞「未来の共創パートナー賞」についても、受賞者のコメントとともに紹介します。

協賛企業賞に選ばれたキャッチフレーズ

選考にあたっては、製薬協の活動に携わるメンバーに加え、会員企業の代表者など、延べ100名以上が審査に参加しました。複数の段階にわたり議論を重ねる中で、特に多くの共感を集めたのが、野村政宗さんが考えた「まだ見ぬ治療を、未来のあたりまえに。」という作品です。

まだ見ぬ治療を、
未来のあたりまえに。

受賞者 野村政宗さん

会長の宮柱は、最終審査におけるこの作品の評価の決め手について、次のように語ります。

「簡潔でありながら、創薬の本質と社会への約束が込められている点が評価の決め手となりました。新しい治療法は、誕生するまでは"未知"の存在です。しかし研究者たちは、その未知を現実のものとし、やがて社会にとっての"あたりまえ"へと変えていきます。その挑戦の歩みを、端的かつ前向きに表現していました」

 

また、今回のテーマであるイノベーティブさや、製薬協が目指す「産業ビジョン2035」をどのように体現しているかについても、次のように述べています。

「イノベーションとは単なる技術革新ではなく、社会の常識や日常を変えていく営みです。『まだ見ぬ』ものを想像し、それを『未来のあたりまえ』にするという発想は、まさにイノベーションの核心を突いています。未来を与えられるものとしてではなく、自ら創り出すものとして捉えている点に、大きな意義を感じました。この言葉は、私たちが掲げる『産業ビジョン2035』とも重なります。日本発の革新的な医薬品を創出し、世界の患者さんに届けること。治療法のない疾患に挑み、社会に新たな選択肢をもたらすこと。それは『未来のあたりまえ』を創る営みにほかなりません。本作品は、その方向性を分かりやすく、そして希望をもったメッセージとして示してくれました」

なぜ、この言葉が生まれたのか?受賞者インタビュー

協賛企業賞を受賞したのは、宮城県名取高等学校3年の野村政宗さんです。
作品に込めた思いや制作背景について話を聞きました。

——なぜ、数ある課題の中から「製薬協」の課題を選んでくれたのですか?

医療や薬は健康に暮らすためにとても大切なものであり、特に薬は普段から風邪などの症状が出たときに助けられているので、私にとっても身近で関心のある分野だったからです。

——受賞して率直にどう感じますか?

とても驚きましたが、それ以上に嬉しい気持ちが大きかったです。多くの方が選考に携わり、この作品を選んでいただけたことにも驚きました。自分の考えたコピーが評価されたことで自信にもつながり、コピーを書いて挑戦してよかったと感じています。

——この作品は、どんな瞬間に思いつきましたか?作るにあたって調べたことなどもあれば、教えてください。

薬の開発には長い時間がかかることや、多くの人の努力が必要だということを知ったことがきっかけです。普段当たり前のように使っている薬にも歴史があり、今後も新薬の開発によって未来がより良くなってほしいと考えるようになりました。このコピーには、「今はまだ存在しない治療でも、将来は当たり前になる」という希望を込めています。

——新薬が開発される確率が約3万分の1であることや、開発期間の長さを知ったとき、どう感じましたか?また、それをどうポジティブに変換しようと思いましたか?

最初は「こんなにも多くの苦労と失敗があるのか」と驚きました。商品として手に取る私たちが知らない世界があるのだと気づくことができました。そのような苦労の一方で、新薬が開発されることで多くの人の命を救うことができるという価値や、努力の積み重ねによって未来の医療が発展していくという前向きなイメージを言葉にしました。

——調べる前後で製薬業界に対するイメージは変わりましたか?
また、製薬業界に「こういう未来を作ってほしい」という要望もあれば教えてください。

調べる前は薬を作る仕事という漠然としたイメージでしたが、調べた後は、長い年月と多くの人の努力、そして強い責任感が必要な仕事だと感じました。一つひとつの積み重ねが大きく世界を変えることにつながるというやりがいも実感できました。
新しい治療を生み出し続けようとする強い意志も感じました。今後は、より多くの人が平等に治療を受けられる環境や、まだ治療法のない病気にも対応できる医療が発展していってほしいと思います。私自身も将来、世の中に貢献していきたいという思いを強く持つことができました。

多様な視点が光る独自賞「未来の共創パートナー賞」

創薬は決して、一つの側面だけで語れるものではありません。

研究者の挑戦、患者さんの人生、日常に溶け込んだ薬の存在、そして未来への希望など、さまざまなステークホルダーの視点が重なり合って成り立っています。

今回は、創薬の多面的な価値を協賛企業賞とは異なる視点から表現した5つの作品を、独自賞「未来の共創パートナー賞」として選定しました。

以降で受賞した作品を、ご紹介します。

未来の共創パートナー賞 受賞 
A.Sさん(新潟県・高校2年生(応募当時))

今日も誰かの"生きる"を支える。

受賞者コメント

——受賞の感想をお願いします。

この度はこのような賞をいただき、大変嬉しく思います。製薬業界の社会的な役割や責任の大きさについて改めて考えながら制作しました。その思いを受け止めていただけたことを、とても嬉しく感じています。この作品を通して、多くの人に製薬業界の価値が伝わるきっかけになればと思います。

——この作品に込めた「想い」や「狙い」を教えてください。

このキャッチコピーには、製薬業界が日々当たり前のように人々の命や生活を支えている存在であることを伝えたいという思いを込めました。特別な場面だけでなく、日常の中での貢献に目を向け、身近でありながら欠かせない存在であることを印象付けることを意識しました。

製薬協コメント

製薬業界の役割を「日常の中で支える存在」として捉えた点に、確かな洞察を感じました。特別な瞬間だけでなく、何気ない日々の積み重ねを支えているという視点は、医薬品が社会に果たしている役割を改めて考えさせるものだと感じます。「今日も」という言葉には、継続的な貢献と責任が込められており、社会に寄り添う姿勢が伝わってきます。

未来の共創パートナー賞 受賞 
T.Eさん(東京都・中学3年生(応募当時))

不可能という病に、挑み続ける。

受賞者コメント

——受賞の感想をお願いします。

この度は、このような名誉ある賞をいただき、大変うれしく思います。私はもともとAIに強い関心があり、日頃から技術を学んでいます。今回は「AIとともに、どこまでクリエイティブな表現ができるか」という挑戦でもありました。自分の情熱と技術がこのような形で評価されたことは、大きな自信につながりました。

——この作品に込めた「想い」や「狙い」を教えてください。

今回の制作では、製薬業界の「最先端技術」と、その根底にある「人を想う温かさ」をどのように一つの言葉で表現するかに悩みました。試行錯誤を重ね、100件以上の案を考えましたが、その中でもこの作品は「技術の先にある、命を大切にする気持ち」を最もまっすぐに伝えられる表現だと感じています。体温が伝わる言葉を目指しました。

製薬協コメント

「不可能」を「病」と捉え、それに向き合い続ける姿を言葉にされている点が印象的でした。技術と人の想いをどう表現するか工夫を重ねられた過程も伝わってきます。困難に向き合い続ける創薬の営みを独自の比喩で捉えたこの言葉は、新薬が生み出される背景にある人々の情熱について感じさせるものでした。

未来の共創パートナー賞 受賞 
Y.Yさん(千葉県・高校2年生(応募当時))

希望が凝縮したものが薬なんだと思う。

受賞者コメント

——受賞の感想をお願いします。

この度は未来の共創パートナー賞をいただき、誠にありがとうございます。昨年はファイナリストに選出されたものの受賞には至らず悔しい思いをしたため、今回このような賞をいただけたことをとても嬉しく思っています。

——この作品に込めた「想い」や「狙い」を教えてください。

風邪を引いたとき、体調だけでなく不安な気持ちにもなりますが、「薬があるから大丈夫」と安心できることがあります。そうした体験をもとにキャッチフレーズを考えました。また、製薬には多くの時間や費用がかかり、多くの人の努力や思いが込められていることを知り、それらを「希望」という言葉で表現しました。小さな一粒にさまざまな思いが詰まっている様子を伝えるために、「凝縮」という言葉を用いています。

製薬協コメント

薬を「希望の凝縮」と捉えた視点が印象的でした。一粒の薬の中に、研究者の長年の挑戦と、それを待ち望む患者さんの願いが重なっていることを、端的に表現していると感じます。日常の実感から出発しながら、製薬の役割について考えさせる内容となっており、示唆に富む言葉だと受け止めています。

未来の共創パートナー賞 受賞 
Y.Mさん(山口県・高校3年生(応募当時))

挑戦なくして、新薬なし

受賞者コメント

——受賞の感想をお願いします。

受賞のお話を聞いたときは、まず本当にうれしく思いました。また、このような素晴らしい賞をいただけるとは思っていなかったため、驚きも大きかったです。名誉ある賞をいただき、大変光栄に感じています。この作品に込めた想いが一人でも多くの方に届き、日本製薬工業協会の魅力が伝わればうれしいです。

——この作品に込めた「想い」や「狙い」を教えてください。

課題の詳細を見たときに、新薬の開発は何十年もの時間をかけても成功確率が約3万分の1であることを初めて知りました。どの挑戦にも決して無駄なものはなく、その裏側には多くの方々の努力が積み重なっていると感じ、挑戦を続ける製薬業界の姿を表現しました。印象に残るキャッチフレーズとなるよう、短く分かりやすい言葉で、響きの良さにもこだわりました。

製薬協コメント

新薬の創出における「挑戦」の積み重ねが、簡潔かつ力強い言葉で表現されています。長い期間にわたって多くの開発者が試行錯誤を続けていることが、端的に言い表されていました。「挑戦なくして」という短い言い切りの中に、イノベーションの本質が示されていると感じました。

未来の共創パートナー賞 受賞 
S.Yさん(東京都・高校1年生(応募当時))

よく見る薬も、もともとはイノベーションから生まれた。

受賞者コメント

——受賞の感想をお願いします。

素晴らしい賞をありがとうございます。この作品は第63回宣伝会議賞の課題として取り組みました。最初は難しいテーマだと感じましたが、日本製薬工業協会のホームページで会長のメッセージなどに触れ、薬は多くの努力と奇跡によって生まれているものだと知りました。このような賞をいただけるとは思っていなかったので、大変驚くとともに嬉しく思っています。

——この作品に込めた「想い」や「狙い」を教えてください。

新薬が生まれる確率が「3万分の1」であることを知り、驚きました。そのわずかな可能性の中にも明るい希望や未来を感じさせる表現を目指しました。私自身も日常生活の中で薬に助けられており、健康でいられることは当たり前ではないと実感しています。そうした経験から、製薬業界のイノベーションへの感謝の気持ちを込めました。

製薬協コメント

身近な薬の背景にあるイノベーションに目を向けた点に、優れた着眼を感じました。日常に溶け込んでいる医薬品も、数多くの挑戦と試行錯誤の末に生まれたものであることを、わかりやすく伝えています。「当たり前」の裏側にある価値に気づかせるこの言葉は、製薬産業の役割について改めて考えるきっかけを与えるものだと思います。

おわりに

これら独自賞を受賞した作品をはじめ、今回寄せられた数多くのキャッチフレーズからは、中高生の皆さんが創薬という未知の領域に真摯に向き合い、さまざまな視点からその価値を深く考えてくれたことが伝わってきます。

 

未来の社会を担う若い世代が、研究者の情熱や薬の存在意義を自分なりの言葉で表現してくれたことは、製薬協が目指す「患者・市民参加型創薬の実現」や「未来の共創」に向けた力強い一歩と言えるでしょう。

 

最後に宮柱は、応募していただいたすべての中高生の皆さんに向け、次のようにメッセージを贈ります。

 

「今回の取り組みを通じて寄せられた中高生の皆さんの言葉は、製薬業界で働く私たちにとって大きな励ましとなりました。応募してくださったすべての皆さんに、心から感謝申し上げます。『まだ見ぬ治療を、未来のあたりまえに。』この言葉を胸に、私たちはこれからも挑戦を続けてまいります。そして次の世代とともに、新たなイノベーションを創り出していきたいと考えています」

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