医薬品評価委員会 ICH M11導入後の医薬品開発への影響
データサイエンス部会
2025年10月
本資料は、2025年11月にStep 4到達が予定されているICH M11ガイドライン「電子的に構造化・調和された臨床試験実施計画書(CeSHarP)」の導入が、医薬品開発および製薬企業に与える影響について、日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 データサイエンス部会 タスクフォース4-2が調査・分析した結果をまとめたものである。
ICH M11は、臨床試験実施計画書(プロトコル)の国際的な標準化および電子的構造化を目的としたガイドラインであり、その意義は単なるプロトコルの標準化や電子化にとどまらない。電子化されたプロトコルを起点として、医薬品開発プロセス全体にわたる抜本的な変革をもたらす可能性を秘めている。
本資料では、まずICH M11の概要を解説し、その導入が医薬品開発に及ぼす影響について詳述する。ICH M11の実装により、臨床試験実施計画書が電子的に構造化されることで、計画立案からデータ収集・解析・申請に至るまで、臨床試験のライフサイクル全体にわたりデジタルトランスフォーメーション(DX)が波及する。たとえば、データ駆動型のプロセス自動化が進展し、業務の効率化、データ品質の向上、意思決定の迅速化が期待される。
また、ICH M11導入に先立ち、製薬企業が今後取り組むべき課題や準備事項についても提案する。さらに、海外における最新動向や、TransCelerate、CDISC、HL7など関連団体の取り組みも紹介し、グローバルな視点からの情報も盛り込んだ。
今後のICH M11導入、さらにはその先にあるデータ駆動型プロセスの実装を見据え、製薬業界全体において迅速な対応が求められている。本資料が、各社における戦略立案や実務対応の一助となれば幸いである。
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※シニアマネージメント層、または全体像を先に把握したい方は、本資料の冒頭に収載したエグゼクティブサマリーをご一読いただくことで、ICH M11の全体像とその重要性をご理解いただけます。
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会
データサイエンス部会2024年度 TF4-2

 
