くすりの情報Q&A Q30.自分がのんでいるくすりの名前は知っておくべきですか。

回答

くすりは、あなた自身のために使用しているものです。最近は「おくすり手帳」など、その人が日頃からのんでいるくすりを記録しておくツールもありますが、万一のために、自分が使用しているくすりの名前は覚えておくように心がけてください。

解説

製薬企業は、くすりを包装するプラスチック・シートにくすりの名前や会社のマークなどを入れるようにしています。

また、薬局でくすりをもらう際には、くすりの名前や写真などが記載されている「くすりの説明書」を渡される場合もあります。

病院や医院で新しいくすりをもらった時や、持病などで同じくすりをいつも必要とする人は、少なくともそのくすりの名前は知っておくべきでしょう。

患者さんがくすりの名前を覚えておくべき、という大きな理由に、災害発生時の対応が挙(あ)げられます。

2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災の被災地には、全国から次々と救援物資とともに大量のくすりが届けられました。

しかし、支援のため全国から駆(か)けつけた医師が、患者さんにくすりを渡そうとしたところ、以前から病気などでくすりを使用している人たちの多くは、自分が使っていたくすりの名前を知りませんでした。

地元の病院や薬局も被害を受けて、機能停止状態なので、カルテや処方箋(せん)の確認もできません。病気の人たちは、ずいぶん不安だったことでしょうが、医療関係者も戸惑いました。

アメリカでも、かつては同じような状態でした。お年寄りを対象に調査したところ、病院で新しいくすりをもらった人の95%が、医師に何の質問もせず、またくすりに関する情報ももっていなかったのです。

その反省から、アメリカでは1980年代に「ゲット・ジ・アンサー(答えてもらおう)運動」が展開されました。

患者さんが、診察を受けてくすりをもらう時に、「医師や薬剤師に対して質問し、答えてもらうようにしよう」というキャンペーンです。基本的な5つの項目の中から、自分が必要とするものを 質問するのです。

また、この運動と併(あわ)せて、医師や薬剤師の側では「ギブ・ジ・アンサー(答えてあげよう)運動」も展開されました。ゲット・ジ・アンサー運動の質問を参考に、納得してくすりを使うようにしましょう。

図表・コラム

30|「くすりの説明書」

病院や医院や薬局などで、くすりを処方してもらう際に、くすりと一緒に「くすりの説明書」が渡される場合があります。そこには、受け取ったくすりに関する情報が記載されています。内容 をよく読み、もしわからないことなどがあれば、遠慮しないで、気軽に聞いてみましょう。

「 ゲット・ジ・アンサー(答えてもらおう)運動」の5つの基本的な質問

  1. このくすりの名前は?
  2. 何に効くの?
  3. 服用する時に注意することは?
  4. 副作用は?
  5. 他の食べ物とののみ合わせは(相互作用)?

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