くすりの情報Q&A Q29.くすりの使用期限と上手な保管方法は。
回答
病院などで処方された医療用医薬品は、製造後、未開封の状態で3~5年が使用期限です。また、薬局で購入した一般用医薬品には、使用期限が記載されています。温度や湿度、さらには乳幼児の誤飲事故が起きないような場所を選んで保管してください。
解説
くすりは、未開封の状態だと、製造してから3~5年程度は効き目が変わらずに使えるように、品質を確認する試験をおこなっています。
一般用医薬品の場合は、外箱に使用期限が印刷してあるので、それを確認してください。特に、シロップ剤や点眼剤などの液状のくすりは、開封後は品質が変わりやすいので注意してください。
病院などで処方された医療用医薬品の場合、医師が診察時の患者さんの体調や症状などに合わせて、最適に処方したものですから、医師の指示通りに最後まで服用してください。のみ忘れなどで残ったからといって、あとで同じような症状の時に使ったり、他の人に勧(すす)めたりしてはいけません。自己判断で使用すると、効果がなかったり、症状がさらに悪化したり、思わぬ副作用が出たりすることもあります。
医療用医薬品は、医師や薬剤師の指示にしたがって正しく服用し、余ったものを別の時に使うようなことはやめましょう。
くすりは、みな同じようにくすり箱に入れておけばいいと思いがちですが、実際にはくすりによって保管方法が違います。温度や湿度、あるいは光の影響を受けやすいものなどもあって、それぞれに適した保管方法があります。
一般的にくすりの保管温度は、30℃以下(室温保存の場合)、または15℃以下(冷所保存の場合)で、凍結する場所は不可とされています。夏の盛り、炎天下での車内は50~80℃もの高温になるので、くすりにとっては、もっとも過酷な状態です。車の中にくすりを放置するのはやめましょう。
保管場所でもう一つ大切なのは、乳幼児の手の届かない所に置くことです。乳幼児は、何でも口に入れる傾向があります。くすりをテーブルに置いたままにすると、乳幼児が口に入れてしまうことがあります。親が、食後にのもうとテーブルに用意しておいたくすりを、わずかなすきに乳幼児がのんでしまったケースもあり、油断はできません。
家庭の中でのこうした誤飲の事故は非常に多く、乳幼児はくすりに対する解毒(げどく)能力が弱いので、重大な薬物中毒を起こすことも少なくありません。
誤飲の事故は、親が家事で忙しい午前8時から10時、午後6 時から8 時頃に多発しています。どれほど忙しい時でも、くすりの管理だけはしっかりしておきましょう。
図表・コラム
29|処方されたくすりは、本人が期限内に使い切るのが原則
医師は、患者さんの体調や病状を診察し、その状態に合わせて、最適なくすりを処方します。
同じような症状でも原因が違うことがあります。
以前に処方されて残っていたくすりを、自己判断で使用したり、他の人に渡したりしてはいけません。
くすりの保管・管理方法
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くすりを種類ごとに区分けする
特に、坐剤やシロップ剤、点眼剤などは冷蔵庫に入れて管理する。
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湿気・日光・高温を避ける
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乳幼児の手の届く場所には置かない
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別の容器に入れ替えない
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使用期限を守る。期限切れなど、古くなったくすりは使用しない