くすりの情報Q&A Q20.自分用のくすりを他の人にのませてもいいですか。

回答

病院でもらうくすりは、患者さんを検査し、診断したうえで、それぞれの症状、体質、体力、年齢などを考慮(こうりょ)して処方されていますので、誰にでも合うというものではありません。自分に合ったからといって、他の人にも合うという保証はありません。

解説

"ちょっとかぜ気味なんだけど、何かくすりなかった?""私が病院でもらったくすりが残ってるから、それをのんでおけば・・・。"

そのような会話をした経験はないでしょうか。当人たちは、よく似た病気なのだから、同じくすりで大丈夫だろうと気軽にくすりをあげたり、もらったりしているのでしょう。ところが、そうはいかないのが、くすりの難しいところです。

処方されたくすりは、使う人についても、また使うタイミングについても、非常に限定されたものですから、誰にでも有効に使用できるものではありません。特に抗生物質(こうせいぶっしつ)や消炎鎮痛解熱薬(しょうえんちんつうげねつやく)などに対しては、過敏症(かびんしょう)の人がいますので、どんな事故が起こるかわかりません。ですから、医師から処方されたくすりを他人に使用してはいけません。

また、以前に処方され、しまっておいたくすりを再利用することもやめてください。年数が経たったくすりは、保存環境によっては成分が変化して、本来のくすりの効果が期待できないことがあります。もったいないと思うかもしれませんが、使用はやめてください。

ちなみに、人間が使っている整腸薬や下痢(げり)止め薬、かぜ薬などをペットの犬や猫にのませることも絶対にいけません。その一番の理由は、人間と他の動物とでは、くすりを体内に取り込む能力や解毒(げどく)する能力などに大きな差があるからです。

一般に人間以外の動物は、くすりが速く作用し、かつ速く効かなくなります。それはくすりを吸収し、排泄(はいせつ)する能力が人間よりも高いからです。また、くすりの種類によっては、人間には効くのにネズミなどの小動物には効かないものがあります。

さらに人間と比較して犬や猫などは体が小さく、どの程度の量ならいいのか判断が難しい面もあるからです。

図表・コラム

20|医療用医薬品の主な特徴

  1. 医師が患者さんを診察したうえで、症状に合わせて処方するくすりです。
  2. 患者さんの体質、体力、年齢を考慮し、くすりの種類や量が調整されています。患者さん本人以外の人が使用すると危険な場合があります。注意しましょう。
医療用医薬品の主な特徴

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