くすりの情報Q&A Q16.トクホなど、さまざまな健康食品がありますが、病気が治(なお)るのでしょうか。

回答

「健康食品」は、病気の治療には使えません。くすりは、病気を治療するために、開発・発売されていますが、健康食品は、健康な人の健康維持や増進が目的です。使用する場合は、個人の判断に任されているので、注意が必要です。

解説

テレビやインターネットなどで、病気や症状の改善を期待させるようなさまざまな「健康食品」が紹介されています。

しかし、くすり以外は「病気や症状を改善する」という効能効果は表明できません。トクホやサプリメントなどは、すべて食品であり、使用は個人の判断に任されていますので、一人ひとりが注意して使う必要があります。

食品は、私たちが口に入れるもので、医薬品以外のすべてのものです。食品には、病気の治療や体の機能に良い影響を与えるというような表示は、法律で認められていません。「治(なお)る」「効く」などと表示できるのは、医薬品だけです。

ただし、例外として、国が特定の機能の表示などを許可した食品があります。

病気の人や妊婦、高齢者などに向けた「特別用途食品」、健康が気になりはじめた人に向けた「特定保健用食品」(トクホ)、そしてビタミンやミネラル不足を補おうと考える人に向けた「栄養機能食品」です。これらは、認められた機能をもった食品として認可され、特定用途食品と特定機能食品には認可マークが付いています。

しかし、これら以外のいわゆる健康食品やサプリメントについては、日本ではこのような定義がありません。近年、健康食品による健康被害や詐欺(さぎ)事件などが発生するケースがあります。一人ひとりが正しく理解して使うよう心がけてください。

図表・コラム

16|食品と医薬の大まかな分類

食品と医薬の大まかな分類
  1. 特別用途食品

    乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用などの、発育または健康の保持もしくは回復のため、という用途を限定した食品で、表示のためには国の許可が必要です。
    たとえば、病者全般に適する場合は「病者用」「病人食」、特定の病気に適する場合は、「糖尿病者用」「腎臓病食」「高血圧患者に適する」などです。具体的には、低たんぱく質食品、アレルゲン除去食品、無乳糖食品、総合栄養食品などがあります。

  2. 特定保健用食品

    国が、含まれている成分だけでなく、最終製品としての有効性や安全性を評価し、承認している製品です。
    したがって、通常の食品には認められていない、たとえば「おなかの調子を整える食品」「コレステロールが高めの方に適する食品」などの"特定の保健の用途"の表示が認められています。
    2012(平成24)年12月現在で、1,000品目を超える製品があります。

  3. 栄養機能食品

    高齢化やライフスタイルの変化などにより、通常の食生活をおこなうことが難しく、1日に必要な栄養成分を摂れない場合に、その補給・補完のために利用してもらうための食品です。
    国の届け出や審査は不要ですが、1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が、国が定めた規格基準に適合していなければなりません。表示の対象となる栄養成分は、人間の生命活動に不可欠な栄養素で、科学的根拠が、医学的・栄養学的に広く認められ確立されたものです。
    現在は、ミネラル5種類、ビタミン12種類について規格基準が定められています。

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