くすりの情報Q&A Q14.くすりの効果は、どのくらい続きますか。

回答

くすりの効果持続時間は、種類によって異なります。そのため、そのくすりの効果持続時間に合わせて、くすりをのむ間隔や量が決められます。安全に治療の効果を上げるためにも、決められたくすりの用法・用量を守りましょう。

解説

くすりは、体の中に入ると、血液によって全身に運ばれます。

目標となる患部でくすりが効果的に働くためには、血液中のくすりの濃度(血中濃度)が、効果を発揮するのに適した濃度(有効濃度)のレベルに達する必要があります。

1日3回服用のくすりは、服用後、有効成分の有効濃度が4~6時間持続する間に、徐々にくすりが肝臓で分解されたり、尿中(にょうちゅう)に溶けて体の外に排泄(はいせつ)されて血中濃度が下がり、効かなくなっていきます。ですから、くすりをのんで6~8時間経ち、血中濃度が下がり、効果がなくなる前に次の回のくすりを服用する必要があります。1日1回服用のくすりなら約1日、また週1回服用のくすりなら約7日間、効果は持続します。

くすりの用法、用量が決められているのは、くすりの有効時間(有効濃度が保たれている時間)からみて、効果的に血中濃度を維持し、かつ安全に使うために、守らなければならない重要なルールなのです。

くすりを決められた量以上にのむと、血中濃度が必要以上に上昇し、かえって害を及(およ)ぼしかねません。

反対に、くすりの量が少ない場合は血中濃度が有効な濃度まで上がらず、十分な効果を得られません。

そこで医師は、患者さんの症状や体重、年齢などを考えて、安全で、しかも治療の効果を上げるために、もっとも適切と思われるくすりの量を処方します。これを「くすりの適量」といいます。医師や薬剤師が処方した「くすりの適量」を、患者さん自身がしっかり守ることが、非常に大切なことなのです。

くすりをのむ時間を早めたりした場合は、血中濃度が下がりきらないうちに次のくすりが体内に入り、血中濃度が上昇し過ぎることがあります。結果的にたくさんのんだ時と同じ状態になります。逆に、くすりをのみ忘れると、血中濃度が下がり、効果が保たれなくなりますので、注意が必要です。

「くすりは決められた時間に決められた量をのむ」ことが重要です。

図表・コラム

14|のみ薬の有効濃度

のみ薬の有効濃度

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