医薬産業政策研究所

はじめに

「革新的新薬を創出し、健康寿命の延伸と日本の経済成長へと貢献すること」が医薬品産業の目指す姿の根幹である。2024年に開催された「創薬エコシステムサミット」において、首相から「医薬品産業は我が国の今後の成長を担う基幹産業」と位置付ける発言があり、2025年には日本成長戦略会議において重点投資対象として「創薬」が掲げられた。
「イノベーションの創出」、「イノベーションの適切な評価」、「デジタルトランスフォーメーション」、これらのための「創薬エコシステムの構築・発展」を大きな柱としながら、製薬産業をとりまく新しい環境に対応し、構造転換や改革を実現していくことが期待されている。
環境や社会的期待の大きな変化の中で、医薬産業政策研究所(政策研)は、「イノベーションの発揮を通じて世界の人々の健康に貢献する医薬品産業」の発展のために、取り巻く諸課題や社会ニーズを予見性高く捉えて、このような産業と政策の在り方についての多面的な調査や研究を進め、客観的なエビデンスの構築と革新的な方策を提言・発信する役割を果たしていくことを目指す。

運営の基本的な考え方

  1. 「製薬協 産業ビジョン2035」「製薬協 政策提言2025」など製薬協の発する方針を踏まえ、医薬産業が直面する経済、社会、科学・技術、そして関連政策等の動向及び医療関連ビジネスを取り巻く様々な環境変化に関する調査・研究を行い、ステークホルダーへの提案・提言を行う。
  2. 公表されている外部データ・情報や、政策研を中心に製薬協が作製する製薬業界関連データ・情報等を随時収集し、会員会社向け産業調査データベースを始めとする政策研保有データベースの更新・維持・管理を行う。
  3. 調査・研究は、研究員を中心としたプロジェクトを設置して実施する。加えて内外の研究者、エキスパートおよび研究機関との連携を行い、エビデンスベースで客観性のある分析や提言を行う。
  4. 調査、研究成果は「ポジションペーパー」「リサーチペーパー」(随時)、「政策研ニュース」(年3回発行を予定)等の刊行物としてまとめ、ウェブサイトなどを通じた外部への発表、フォーラム等の開催の発信に取り組む。また、テーマに応じ、製薬協内外での啓発活動、意見交換の機会を持つ。これらの刊行物に対する批評をもとに成果の質の向上を図る。政策研年度報告会にて製薬協幹部への成果報告を3月に行う。

2026年度 運営体制と主要テーマ

1. 研究チーム

1)創薬環境チーム

  1. 日本の新薬創出力の実態把握

    政策研が従来から定点観測的に行ってきた、WRA Top100の日本品率、モダリティ別解析、協業に関する解析、アンメット・メディカル・ニーズと新薬開発状況の分析、日米欧承認品目/審査期間等の継続的集計・分析等により新薬創出力の実態を把握する。

  2. 創薬環境整備・強化に関する研究

    政策研で継続的に研究している共創型医薬品創出環境などの創薬力の維持・強化などのテーマをはじめ、今日的課題に着眼し、日本の創薬環境整備・強化に関する研究を行う。
    また、上記の研究を通じて製薬協が従来より掲げている創薬エコシステム構築の課題を抽出し関連ステークホルダーとも連携しながら、必要な情報発信を行う。

2)医療DXチーム

  1. 日本の健康医療データ利活用の制度の評価及び方向性の検討

    「次世代医療基盤法」「医療法等の改正(医療DXの推進)」を始め、日本での健康医療データの利活用制度の内容を評価するとともに、AI活用を含む利用実態を把握し、その方向性を検討する。
    また、諸外国の同様な制度、利活用実態把握を通じて国際比較を行い、日本の制度の改善点の指摘や、国際的なデータ利活用に向けた方向性を検討する。

  2. 製薬業界の健康医療データ利活用促進に係る個別課題の検討

    製薬業における健康医療データの利活用を促進する観点から、AI活用を含むユースケースの分析、情報の流通、標準化、個人情報保護、国民のリテラシーなどの個別課題について研究し、関連ステークホルダーとも連携しながら、必要な情報発信を行う。

3)医薬品価値チーム

  1. 医薬品の価値が適切に評価される薬価制度等のあり方の研究

    諸外国の薬価制度、医療技術評価・費用対効果評価制度等における価格構築の仕組、創薬における患者の参画など各種制度の意義と実態の研究を通じて、日本の医薬品市場の動向や、薬価制度に係る実態把握と評価を行う。研究成果に応じて、関連ステークホルダーとも連携しながら、必要な情報発信を行う。

  2. 医薬品の品質・有効性・安全性の確保と国民の保健衛生の維持・向上のための薬事制度のあり方の研究

    薬事制度は国民の安全と健康を守る仕組みであり、承認制度・製造管理・流通規制とともに、情報提供の仕組みも重要な役割を果たしている。こうした医薬品のライフサイクルを通じた薬事制度全体において、諸外国の制度やデジタル時代の情報環境を踏まえ、日本の薬事制度が有する規制構造の特性と課題を明らかにし、将来の制度設計の方向性を検討する。研究成果に応じて、関連ステークホルダーとも連携しながら、必要な情報発信を行う。

2. データ室

製薬協の諸活動の推進に資する調査・分析活動と、産業理解向上に効果的なデータの提供を行う。そのため、産業調査データベースやDATABOOKにおけるデータ更新を常に行い、製薬協及び関連するステークホルダーの活用を促進する。

1)調査業務

  1. 各種定点データ整備

    活動概況調査及び各種統計に基づく産業調査データベースやDATA BOOKの更新・Web公開、研究開発税制実績調査、製薬業の経済貢献に関する指標構築など、製薬産業全般に関する基礎データを整備・公開する。

  2. アカデミア等との協働を通した情報発信機能の高度化

    アカデミアや関連ステークホルダーと協働し、政策研が創出したエビデンス等を発信し活用を促す。

2)各委員会を中心とする製薬協活動支援業務

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