国際委員会
重点課題
-
国際展開:官民協働によるアジアおよび欧米市場の環境改善と会員会社の活動支援
-
国際協調:欧米先進国およびアジアの政府・製薬団体と協調し、2国/他国間の課題解決を図る活動
-
グローバルヘルスへの貢献:グローバルヘルス課題に対し、日本政府をはじめ各種ステークホルダーと協働して課題解決を図る活動
上記の基本方針に基づく各部会の主な課題は以下のとおりである。
[A] アジア部会
-
ユニバーサルヘルスカバレッジ(Universal Health Coverage、UHC)推進
-
薬事規制の国際調和推進および審査の効率性・透明性・予見可能性の改善
-
革新的医薬品に対する迅速かつ持続的なアクセスの担保
-
関連規制(薬事・保険/薬価・知財等)の最新動向把握と会員への共有
-
在外公館、国際機関、日系製薬団体、研究開発型製薬団体との連携強化
[B] 欧米部会
-
欧米市場の事業環境改善に向けた課題の特定と、これらの解決に向けた関係省庁や在外公館への働きかけ、および欧米の主要業界団体との連携
-
欧米主要国に関連するステークホルダーとなる他委員会・部会との連携強化等HUB的役割を通じた製薬協内活動推進への貢献
[C] グローバルヘルス部会
-
グローバルヘルスアジェンダへの取り組みにおける他協会との連携強化とステークホルダーへのアドボカシー
-
低中所得国での医薬品アクセス改善への貢献活動
-
高齢化社会への対応
-
感染症対策への取り組み強化
取り組み内容
[A] アジア部会
以下の重点国・地域を対象に課題解決に取り組む。
- 中国、韓国、台湾、アセアン(タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナム・シンガポール・フィリピン)、インド
1)ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)推進
-
製薬協APACプロジェクトのaUHC(Asian UHC)セッションの運営を通じて、各国/地域のUHC推進に向けた課題とナレッジを共有する。
2)薬事規制の国際調和推進および審査の効率性・透明性・予見可能性の改善
-
2国間会合およびシンポジウム等を通じた厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との連携強化により各国の薬事規制課題解決を推進し、アジアトレーニングセンター(ATC)等へのサポートを通じてアドボカシーを強化する。
-
薬事規制の2国間連携(リライアンス)の枠組み(参照国制度等)に関する最新情報を収集し会員会社への周知と活用を推進する。
3)革新的医薬品に対する迅速かつ持続的なアクセスの担保
-
各国の製薬団体との連携強化を通じて、保険/薬価/医療技術評価等の関連制度の最新動向を把握する。
-
革新的医薬品の適正な評価と迅速性/透明性/予見可能性の担保を軸として各国/地域の関連制度の課題を抽出し、アドボカシープランを立案する。
-
業界団体主導による2国間会合(シンポジウム)等を通じて、各国/地域の課題と解決策を検討し推進する。
4)関連規制(薬事・保険/薬価・知財等)の最新動向把握と会員への共有
-
部会内外の関係者に対し、重点国/地域における関連規制の最新動向やベストプラクティスを共有する。
-
製薬協APACプロジェクト・PMREタスクフォースへの国際委員会アジア部会からの参画を通じて、各国/地域における薬事・保険/薬価・知財等の関連情報を包括的に把握する。
5)在外公館、国際機関、日系製薬団体、研究開発型製薬団体との連携強化
-
各国/地域の在外公館(大使館、代表部、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)、独立行政法人国際協力機構(JICA)等)および国際機関(世界保健機関(WHO)等)との連携を強化する。
-
政策テーマに応じて、日系製薬団体、製薬協APACプロジェクト加盟製薬団体、ならびに米国研究製薬工業協会(PhRMA)・欧州製薬団体連合会(EFPIA)・国際製薬団体連合会(IFPMA)等のグローバル製薬団体との連携を強化する。
[B] 欧米部会
1)欧米市場の事業環境改善に向けた取り組み欧米や欧州各国の製薬団体、各国政府等との連携
-
主要課題の特定と解決策の検討:EFPIA・英国製薬工業協会(ABPI)・ドイツ研究開発型製薬工業協会(vfa)・フランス製薬工業協会(leem)等との定期会合、JETRO New York出向者との交流や日本政府、在日本大使館等と情報交換し、欧米主要国の政策上、貿易上、薬事上、価格・保険償還上の課題を特定し解決策を検討する。
-
欧米や欧州各国の製薬団体、各国政府、日本政府や関係省庁との連携:欧米における課題の改善に向けて、必要に応じて欧米の各団体等と連携の上、欧米各国政府、日本政府や関係省庁等へのアドボカシー活動を進める。
-
欧米の最新情報の把握:欧米各国の最新情報(ヘルスケアに関する政府の方針および主な医療政策、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)の薬事規制、欧米各国の薬価・保険償還制度、医療関連データの利活用、患者団体との連携体制など)の把握のために、定期的に外部講師や関連団体との情報交換会を積極的に企画・実行し、会員会社に共有する。
2)製薬協内の連携(HUB的役割として)
-
欧米主要国の業界団体、各国大使館およびJETRO等と製薬協の他委員会との間のHUB的役割を活かし、連携して国内外に関連する課題への対応に取り組むとともに、欧米の情報を日本政府への政策提言の参考として活かせる可能性も検討する。
-
製薬協内の関連する委員会に対し、欧米部会の活動や成果物等を共有し、欧米市場におけるマーケットアクセス・薬事の課題やその解決策について検討する。
[C] グローバルヘルス部会
1)グローバルヘルスアジェンダへの取り組みにおける他協会との連携強化とステークホルダーへのアドボカシー
-
IFPMAの関連委員会の活動、議論に参画し、製薬協の発信力を強化する(産業政策委員会、知財委員会との協業)。
-
グローバルヘルス課題に関する各国際会議に日本政府(厚労省、外務省、財務省、経産省等)に働きかけながら参画し、研究開発型製薬産業の医薬品アクセスへの取り組みとそれを可能にする業界ビジネスモデルの堅持を発信していく。
-
上記を行うために各種会合参画やステークホルダーとの対話により情報収集を行うとともに、IFPMAと連携しながらアカデミア、シンクタンクとエビデンスに基づく政策提言を推進する。
2)低中所得国での医薬品アクセス改善への貢献活動
-
Access Acceleratedイニシアチブへの貢献とPR活動の強化
-
2023年度に実施したニーズ調査(ベトナムにおける薬剤師のキャパシティ・ビルディング)に基づき、国立国際医療研究センター・医療技術等国際展開推進事業を活用して研修事業を実施する。
-
偽造医薬品対策については、情報収集を継続し、必要に応じ、適宜対策に取り組む。
3)高齢化社会への対応
-
高齢化をパブリックヘルス課題としてとらえ、健康長寿社会の実現に向け、情報収集を行う。国際的なアドボカシーが必要となった際ヘルスアジェンダを提言し、健康長寿社会の実現に向けた業界の取り組みを情報発信する。
4)感染症対策への取り組み強化
-
Medical Countermeasures(MCM)の確保に向けた国内外の取組状況の把握と議論への参画を通じて、適切なパンデミックへの備え・対応に貢献する。
-
薬剤耐性(AMR)研究開発促進策(理想的なプッシュ型およびプル型インセンティブ)の実現に向け、AMR対策アクションプランに沿った形でAMR Alliance Japan、日経アジア・アフリカ医療イノベーションコンソーシアム (AMIC) AMR部会等との連携により、産学官連携活動の促進を継続する。
-
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)との連携を進めて、産学官でAMRを含む感染症創薬の取り組みを推進するコミュニティを構築すると同時に若手研究者の育成に資する活動を行う。
-
AMRの脅威と抗菌薬適正使用に関する国民啓発活動を継続するとともに、それらの活動について製薬協ウェブサイト等を通じて国内外に発信していく。
-
三大感染症、顧みられない熱帯病(NTD)の医薬品デリバリーまでを俯瞰し、国内外の関係者と共に活動し、貢献をしながら、長期的には製薬セクターにとって持続可能性の高い供給体制構築、仕組みづくりをめざすため、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)、AMIC NTD部会、Japan alliance on Global NTDs(JAGntd)、NTDs Youthの会等と連携し、アドボカシーを行う。
[D]委員会・部会横断的取り組み
パンデミック条約やTRIPS Waiverをはじめとする委員会横断的なイシューについて、知財委員会やワクチン実務者委員会と連携を取りながらIFPMAとともに知財に基づく医薬品業界のビジネスモデル堅持と病原体情報の迅速な共有によるイノベーション促進を訴えていく。