「2026年度(第53回)GMP事例研究会」開催報告を掲載しました。
製薬協品質委員会では、2026年度事業活動の一環として、「品質保証の実効性向上に向けた現場力・設備信頼性・デジタル活用の融合」をテーマに掲げ、2026年9月25日に「2026年度(第53回)GMP事例研究会」を一般財団法人日本医薬情報センター(JAPIC)との共催で開催しました。本年もオンラインセミナー形式とし、約600名の参加者を迎え、成功裏に終了しました。
事例発表の演者および当日の運営メンバー(製薬協品質委員会GMP部会)
近年、医薬品業界を取り巻く環境は大きく変化しており、安定供給体制の強化、品質不適切事案の再発防止、データインテグリティ(DI)の確保、製造委受託における信頼性構築など、制度面および実務面の両側面において多くの課題が顕在化しています。このような状況において、製造販売業者および製造業者には、リスクに基づいたより高度かつ実効的な品質保証体制の構築が求められています。
今年度は、特別講演として独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品品質管理部品質管理第一課の樋泉美月氏より、「GMPに関する最近の話題— 薬機法改正と品質確保に関するPMDAの取組」と題し、薬機法改正の動向や品質確保に関するPMDAの取り組みについて紹介がありました。また、事例発表の部では、製薬協会員会社の協力により、本年度のテーマに関連して、バイオ医薬品工場における設備トラブル事例紹介、デバイス外観検査自動化への挑戦による品質の均一化、製薬協GMP部会におけるQuality Cultureプロジェクトの活動紹介 -Quality Culture(品質に対する考え方)の共有と心理的安全性を軸にした委受託関係の強化-、の3題の発表が行われました。いずれも各社の経験や工夫された事例について詳細な説明があり、参加者からはオンラインにて複数の質問があり、代表的な質問に対し講演後に回答がありました。
特別講演
1.GMPに関する最近の話題— 薬機法改正と品質確保に関するPMDAの取組
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 医薬品品質管理部 品質管理第一課
樋泉 美月 氏
2025年に公布された薬機法改正を踏まえ、品質確保および安定供給体制の強化が一層求められています。本講演では、GMPに関する最近の話題として、薬機法改正の概要と、品質確保に関するPMDAの取り組みについて解説がありました。
事例発表
1.バイオ医薬品工場における設備トラブル事例紹介
第一三共株式会社 テクノロジー本部 テクノロジー開発統括部 エンジニアリング技術研究所
杉浦 由朋 氏
第一三共株式会社のバイオ医薬品工場において発生した設備トラブルの事例が紹介されました。本講演では、トラブルの発生状況と対応、ならびに設備信頼性の確保に向けた取り組みについて、実際の事例を交えて説明がありました。
2.デバイス外観検査自動化への挑戦による品質の均一化
日本イーライリリー株式会社 製造本部
稲本 基 氏
本発表では、日本イーライリリー株式会社におけるデバイス外観検査の自動化に向けた挑戦が紹介されました。外観検査の自動化を通じた品質の均一化に向けた取り組みについて、導入時の工夫や課題を含めて説明がありました。
3.製薬協GMP部会におけるQuality Cultureプロジェクトの活動紹介 -Quality Culture(品質に対する考え方)の共有と心理的安全性を軸にした委受託関係の強化-
中外製薬株式会社 信頼性保証ユニット 品質保証部
塚崎 匡 氏
製薬協品質委員会GMP部会Quality Cultureプロジェクトの活動として、Quality Culture(品質に対する考え方)の共有と心理的安全性を軸にした委受託関係の強化に向けた取り組みが紹介されました。本講演では、製造委託側・受託側の相互理解の促進に向けたプロジェクトの活動内容について説明がありました。
今回の特別講演ならびに事例発表が、各社の品質保証レベル向上のために非常に有意義なものとなり、今後の参考になることを期待します。
