将来のくすりの研究者も誕生!?
体験イベントが大人気
「製薬協 クスリウム研究室」を
開催

常設展示室「くすりの部屋-クスリウム」には、
3種の新展示も登場

日本製薬工業協会(以下、製薬協)は、2025年3月21日~23日の3日間、科学技術館(東京都千代田区)にて、公開実験ショーやゲーム、模型、パネル展示などの複数企画を通じて、子どもたちがくすりについてのさまざまな知識を体験できるイベント「製薬協 クスリウム研究室」(以下、本イベント)を開催しました。

科学技術館は、1964年(昭和39年)に科学技術の知識を広く多くの国民に普及する目的で、東京都千代田区の北の丸公園内に開館されました。2階から5階までの4つのフロアーに、触れたり動かしたりしながら科学や技術を学べる約20の展示室があります。コロナ禍以降は来場者数も年々回復し、2024年度の年間来場者は約46万人(内、子ども約29万人)でした。

製薬協では2016年から、製薬産業に対する興味喚起のほか、子どもたちにくすりの研究者・医療やくすりに関わる職業を目指してもらう意欲を育むことを目的に、科学技術館3階において常設展示室「くすりの部屋 - クスリウム」(以下、クスリウム)の出展協力を行っています。

今回、製薬協 広報委員会で検討を重ねた結果、約5年ぶりに常設展示室「くすりの部屋-クスリウム」への新展示の設置を決定しました。また、その公開に伴い、本イベントを開催することとし、3月21日には報道関係者を招待した「初日メディア発表会」を企画し、新展示の公開セレモニーを執り行いました。

くすりの部屋 - クスリウム

【イベント開催概要】 春休みはくすりの研究者を目指そう!体験型イベント「製薬協 クスリウム研究室」

日程:2025年3月21日(金)~3月23日(日)

会場:科学技術館 4階特設会場

住所:東京都千代田区北の丸公園 https://www.jsf.or.jp/

入場料:科学技術館 入館料 大人950円、中高生600円、子ども(4歳以上)500円

主催:日本製薬工業協会

協力:公益財団法人日本科学技術振興財団・科学技術館、カールツァイス株式会社

関連リンク

【外部記事】

【製薬協ニュースリリース】

製薬協 クスリウム研究室

3月21日から23日の3日間で、体験イベント「製薬協 クスリウム研究室」を開催しました。3日間の本イベントを多くの方に知っていただくために、開催告知として製薬協からのニュースリリースや科学技術館のウェブサイトでの紹介の他に、ポスターの掲示や、お出かけ情報サイト「いこーよ」へのウェブチラシ掲載などを行いました。また、特別キャンペーンとしては、製薬協Xのフォロワー50組100名様のご招待企画も実施しています。このような周知施策も功を奏し、3日間で約6,000名と非常に多くの方に、本イベントを体験していただくことができました。
(3日間の来場者数:21日(金)約1,000名、22日(土)約2,000名、3/23(日)約3,000名)

イベント内容

  • 実験ショー
    ・カラフル体験!くすりを見つける(クロマトグラフィー)
    ・しゅわしゅわ!酸とアルカリ(中和反応)
  • パネル展示
    ・新しいくすりをつくる(新薬開発プロセス)
    ・くすりの発明とその科学(偉人の功績)
  • 電子顕微鏡の仕組み(協力 カールツァイス社)
  • くすり分子パズル体験(分子モデルの組み立て)
  • 製薬工場すごろく体験(製剤工程の紹介)

イベントポスター

特に人気のあったのは実験ショーです。今回行った実験ショーは本イベントのために、新たに科学技術館の演示グループで開発された内容です。実際のくすりの研究とも関連する実験内容を子どもたちに分かりやすく紹介するプログラムとなっています。今後は常設展示室「くすりの部屋-クスリウム」内の実験ショーとしても公開していく予定です。


実験ショー / カラフル体験!くすりを見つける
実験ショー / カラフル体験!くすりを見つける
パネル展示と製薬工場すごろく体験
パネル展示と製薬工場すごろく体験

初日メディア発表会

3月21日には、製薬協 クスリウム研究室「初日メディア発表会」を開催し、9社9名の報道機関の皆さんにご参加いただきました。本会の冒頭では製薬協の上野会長、木下理事長、森専務理事に加え、科学技術館の𠮷田専務理事による、新展示「ミクロアドベンチャー くすりの旅」のテープカットセレモニーを行いました。

テープカットセレモニー
左から、森専務理事、科学技術館 𠮷田専務理事、上野会長、木下理事長

製薬協 上野 裕明 会長

くすりは一人ひとりの生活に大変身近なものであっても、見た目では同じような粉末や液体であり、その違いが分かりにくいことがあります。子どもたちにも分かりやすくその仕組みや特徴を、このような展示によって伝える活動は大変重要だと考えます。また、新薬によって、これまでに多くの病気が治療可能になりました。しかしながら、まだまだ世の中には治療困難な病気がたくさんあります。新薬開発にチャレンジすることの大切さや面白さ、継続していく重要性を、将来を担う子どもたちやその親御さんにも知っていただく機会に、本展示が少なからずお役に立てれば嬉しく思います。

科学技術館 𠮷田 忍 専務理事

科学技術館は1964年に開館し、2024年で60周年を迎えました。2024年度も非常に多くの皆さまにご来館いただき、そのうち約60%弱が小学生以下の子どもたちになります。科学技術館に来館してくれた子どもたちの中から、将来、科学者や研究者など、くすりに関する仕事に少しでも興味をもっていただけるきっかけになれば幸いです。また、そのような方たちによって、将来の社会がより良くなっていくことを心から願っております。

3種の新展示について

この度、クスリウムに登場した3種の新展示をご紹介します。
(これらの展示は、本イベント以降もクスリウムの常設展示として公開されています)

(1)ミクロアドベンチャー くすりの旅

今回の新展示の目玉となるカプセル型外観のアトラクションです。体重を前後左右にかけて、画面を操作して問題に答えながら、正解するとクリスタルがもらえるクイズゲームとなっています。設問にはくすりの吸収や排泄、免疫やワクチン、オーバードーズへの注意喚起など、複数のテーマが用意されています。

(2)フォトスポット

正面からフラッシュを焚いて撮影すると、背景のパネルに文字や画像が浮かび上がる特殊なパネルを用いたフォトスポットを新設しました。フォトスポットでは、子ども用の白衣が着用可能であり、子どもたちに研究者気分で撮影してもらえる展示となっています。

(3)創薬パズル 新しいくすりができるまで

数字パネルを説明に沿って並べていくパズルです。基礎研究から臨床試験、承認申請から育薬まで、新薬が患者さんに届くまでのプロセスを時系列順に並べていきます。なお、詳しい内容は、従来の常設展示のパネルに紹介されていますので、より深く学ぶことが可能となっています。


若年層に向けた啓発活動を続けることの意義は、将来のヘルスケアリテラシー向上と医療の発展に貢献することです。今回の本イベントのような取り組みを通じた働きかけは、子どもたちの科学への関心を高め、将来の医療従事者や製薬業界を担う人材育成にも少なからず貢献するものと考えています。製薬協では、今後も次世代の健康と医療の発展に向けた製薬業界の社会的責任を果たす活動に、科学技術館への出展協力等を通じて取り組んでまいります。

(文責:広報部長 足立 尊史)

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