医薬品評価委員会 臨床試験における多重性の諸問題の現状と今後の課題について 非統計家向け解説書

データサイエンス部会

2020年6月

医薬品開発における統計的仮説検定では,本来は効果がない被験薬を「効果あり」と判断する誤りと,本来は効果がある被験薬を「効果なし」と判断する2つの誤りが存在します。従来はボンフェローニ法など,比較的簡便な多重性調整方法が使用されていたものの,仮説構造の複雑化やより検出力の高い方法への需要の増加に伴い,ゲートキーピング法に代表されるような,より複雑な仮説構造に対応した多重性調整方法が提案されてきました。多重性調整方法の高度化に伴い,試験目的および仮説構造に合致した適切な方法を用いるためには方法の深い理解が必要となり,高度な専門性が要求されます。
目的に合致した妥当な仮説構造とそれに伴う意思決定の枠組みの議論は,統計解析担当者のみならず統計解析担当者以外の多くの関係機能に関わる極めて重要な課題であります。
本稿では統計を専門としない医薬品開発関係者への検定に伴う多重性の問題についての解説を意図しておりますので、ご活用いただければ幸いです。

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 データサイエンス部会
2019年度 タスクフォース4 臨床試験での多重性調整チーム

多重性報告書(1.6MB)

このページをシェア

TOP