医薬品評価委員会 NICE TSDの紹介・QOL値 QOL値の測定と費用効果分析へのQOL値の利用

データサイエンス部会

2019年4月より、医薬品・医療機器を対象に費用対効果評価制度が導入された。費用対効果の分析に用いる効果指標は、原則、質調整生存年(Quality-Adjusted Life Year:QALY)を用いることとなっている。QALYとは、生存と健康関連の生活の質(Quality Of Life:QOL)の転帰を統合したものである。QALYを算出する際に使用される健康関連QOLは、選好に基づく尺度で測定されたものに限定され、本制度下においては「QOL値」と呼ばれている。
本報告書では、これまで臨床試験等では馴染みの薄かったQOL値とは何か、またそれはどのように取り扱われるものか、その技術的課題などを、費用対効果評価を早くから導入している英国NICE(National Institute for Health and Care Excellence)が発行する評価ガイドライン、および技術的な手順書(Technical Support Document, TSD)のTSD 8からTSD 12の概要を紹介する。最後に事例としてNICE技術評価(Technology Appraisal, TA)におけるQOL値の利用状況について紹介する。
QOL値は、費用対効果の分析を行う際の入力データの1つに過ぎないが、NICEにおいても企業と外部の評価グループとの間で、その取り扱い、引用文献の選択、算出方法などについて意見が分かれ、論点となりやすいテーマの1つである。自社での費用効果分析に備えようと検討される担当者にとり、本報告書が、国内外での論点を理解する上での知識として有効活用され、QOL値算出の際の足がかりになることを期待している。

日本製薬工業協会 データサイエンス部会
2019 年度継続タスクフォース5

NICE TSDの紹介・QOL値 -QOL値の測定と費用効果分析へのQOL値の利用-

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