医薬品評価委員会 副作用調査に用いる詳細調査票(製薬協電子モデル)説明会開催報告
ファーマコビジランス部会
はじめに
2025年11月13日、製薬協医薬品評価委員会ファーマコビジランス部会(PV部会)の主催により、「副作用調査に用いる詳細調査票(製薬協電子モデル)説明会 -導入事例の共有を中心に-」をウェブ会議形式で開催しました。本説明会は、PV部会傘下の継続課題対応チーム2(KT2)が企画・運営し、PV部会参加企業の安全性部門、特に副作用症例評価業務に携わる多くの皆様にご参加いただきました。
2024年2月に公開した「製薬協電子モデル」は、電子化することにより、副作用詳細調査における医療従事者の負担軽減、および情報収集から評価までの迅速化・品質向上を目指すものです。説明会は、KT2サブリーダー松本氏の挨拶で開会し、電子モデルの普及と円滑な活用を目指す企画であることが強調されました。
説明会運営の様子
製薬協電子モデルの概要及び導入に関するアンケート結果について
最初のセッションでは、KT2から製薬協電子モデル開発の経緯、その特徴(入力チェック機能、ロック機能など)、および期待される効果が説明されました。また、開催に先立ちKT2内で実施したアンケート結果が共有され、多くの企業が製薬協電子モデルの導入を検討している一方で、医療機関との情報授受フローや再調査の方法などに課題を感じていることが示されました。特に、他社の導入事例に対する関心が非常に高く、本説明会の企画意図が改めて確認されました。
製薬協電子モデルの導入事例について
導入事例紹介では、既に製薬協電子モデル(電子調査票)の運用を開始している3社にご登壇いただきました。
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田辺ファーマ株式会社(旧田辺三菱製薬株式会社) 中村氏
MRが医師への案内と電子調査票の回収を仲介するワークフローを構築。導入後の課題として、医師がブラウザ上でPDFを開いてしまい機能が正常に作動しない問題や、MRへの利用促進に向けた啓発の必要性などを挙げ、その具体的な対策を共有いただきました。
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塩野義製薬株式会社 田井氏
MRが医師へ依頼し、医師が直接クラウドストレージにアップロードする、MRを介さない回収ワークフローを構築し、情報授受の迅速化を実現。パイロット運用で抽出した課題に対応するため、MR向け教育を充実させ、電子化率の着実な向上を実現した実績を紹介いただきました。
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アステラス製薬株式会社 松本氏
従来の紙運用の抱える課題を踏まえ、メールでの授受を基本とした運用フローを構築。導入後のMRへのアンケート結果を基に、レスポンスの向上や判読性の改善といった効果と、電子対応が難しい施設への対応方法など、今後の課題について解説いただきました。
各社の発表後には活発な質疑応答が行われ、参加者は自社の状況と照らし合わせながら、実践的な課題解決のヒントを得る貴重な機会となりました。
安全性データベースの製薬協電子モデルへの対応状況
最後のセッションでは、主要な安全性データベースベンダーに対する調査結果が報告されました。製薬協電子モデルで収集したデータをデータベースへ取り込む機能について、実装済みのものや、AI活用を含めた開発が進行中のものがあり、将来的なデータ入力業務のさらなる効率化への期待が示されました。
最後に
KT2リーダー川口氏より閉会の挨拶があり、導入事例の紹介が各社の課題解決に資すること、より多くの企業で製薬協電子モデルが普及することへの期待が述べられました。
説明会終了後のアンケートでは、「他社の具体的な取り組みや課題への対処法が参考になった」「自社での導入検討を具体的に進めるイメージが湧いた」といった好意的なご意見を多数いただきました。
導入事例の共有が、各社が抱える課題の解決及び詳細調査の電子化という業界全体のDX推進の一助となれば幸いです。医療従事者を含む業界全体の課題解決に携われたことを、私たち企画・運営メンバー一同大変嬉しく思います。
医薬品評価委員会 ファーマコビジランス部会 継続課題対応チーム2
説明会運営担当:KT2リーダー川口、サブリーダー松本、TeamB2(小川、柏原、小坂、阪口、田井、政宗(五十音順・敬称略))
