医薬品評価委員会 FDAガイダンスを踏まえたランダム化比較試験の共変量調整

データサイエンス部会

2025年6月

2023年、FDAはガイダンス"Adjusting for Covariates in Randomized Clinical Trials for Drugs and Biological Products"を発出しました。本ガイダンスでは、治療効果の推定および検定における統計的効率の向上を主な目的とし、ベースラインの予後共変量の取り扱いに焦点を当てて記載されています。統計的効率の向上は、検出力の増加を通じて試験の成功確率を高めることや、必要な被験者数の削減などに寄与しうる、重要なトピックです。そのため、本ガイダンスの理解は統計担当者に限らず、臨床試験の計画、実施、解析、報告のいずれかに関わるすべての開発担当者にとって有益であると考えられます。

本報告書では、これまで共変量調整に関して参照されてきたICH E9やEMAのガイドラインの内容を踏まえつつ、FDAガイダンスの解説を行いました。報告書本文でガイダンスの日本語訳を含めた解説を行うとともに、Appendix として日本語訳部分だけを抜粋したものも作成しました。本報告書が、今後の臨床試験の効率化の一助となりましたら幸いです。

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会
データサイエンス部会 2024年度タスクフォース3-1

報告書

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