医薬品評価委員会 Society5.0(データ社会)にむけた薬事文書の課題とデジタル技術活用の提案

データサイエンス部会

2024年6月

医薬品評価委員会データサイエンス部会2023年度タスクフォース2-2では「革新的な医薬品開発及び円滑な承認審査に資する薬事文書のあり方」をテーマとし、多岐にわたる外部環境変化(生成AIを含むIT技術の発展、データ活用、患者視点や新たな試験デザイン等)に対応するための課題を抽出し、今後必要な対応を検討した。
まず、今後の医薬品・医療機器の開発における変化を想定した際の、メディカルライター(MW)の観点での薬事文書に関連する課題を抽出することを目的として、各社にアンケートを実施した。その結果を資料①として報告する。
また、2023年DIA日本年会でセッションを企画し、医薬品開発での規制当局と治験依頼者/申請者のコミュニケーションが従来の紙文書から、電子媒体に変化しつつある現状の中で、さまざまな外部環境変化の利点を最大限に活用することを目指してディスカッションを行った。当セッションで提示した、薬事文書の現在から将来への変化のイメージを資料②として報告する。
上記のアンケート結果及びDIAでの議論からは、多くの課題及びチャレンジが抽出されたが、中でも、生成AIによるビジネスモデルの変化が薬事文書作成及び関連するコミュニケーションに与える影響は大きく、タイムリーに利用の幅を広げていく必要があると考えた。一方、生成AIに対する誤解や理解不足により、利用の検討速度が緩慢である状況もあることがわかった。これらのことから、生成AIの現状を理解し、薬事文書関連業務への適切な活用を推進することを目的として、資料③をまとめた。
本成果物がSociety5.0(データ社会)にむけた革新的な医薬品開発及び円滑な承認審査に資する薬事文書のあり方について考えるきっかけとなり、更なる具体的な指針や対応策が実装されることの一助になることを期待する。

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 データサイエンス部会
2023年度タスクフォース2-2
石木剛(日本イーライリリー)
島田忠(中外製薬)
亀井隆奈(塩野義製薬)
津森桂子(MSD)
寺岡絵里(大塚製薬)
森田りか(ファイザー)
土屋悟(住友ファーマ)

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