医薬品評価委員会 アダプティブデザインの統計的推測に関する検討

データサイエンス部会

2023年2月

アダプティブデザインを適用する臨床試験に関して、FDAからガイダンスが2019年に最終化され、ICH-E20にて統一ガイドラインの策定を目指して議論がなされています。
アダプティブデザインは臨床試験の計画を途中で修正するという特徴から、試験の参加者がより良い治療を受けられる機会が増え、より効率的な医薬品開発、さらには利用可能なリソースの活用といった利点が期待されます。その一方、統計手法を適切に用いなければ、第一種の過誤確率の増大、点推定値へのバイアスの発生、信頼区間の被覆確率が名義上の信頼係数よりも下回るなど、統計的妥当性の観点から望ましくない現象が起こる可能性があります。
医薬品評価委員会データサイエンス部会2022年度継続タスクフォース1は、症例数再推定と治療群の選択のアダプティブデザインにフォーカスを当て、統計的推測の方法を調査し、報告書を作成しました。
臨床試験の計画や実施に携わる統計解析担当者を主な読者に想定していますが、アダプティブデザインを適用した臨床試験の事例や統計的妥当性の課題については、統計解析担当者以外のメンバーにも参考になります。本報告書が、アダプティブデザインの理解と適切な試験実施の一助となれば幸いです。

2023年2月発行
日本製薬工業協会 医薬品評価委員会
DS部会 2022年度 継続タスクフォース1

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