医薬品評価委員会 これからの医薬品評価-国際共同開発での日本人データの意義って何?-

データサイエンス部会

2022年7月

ICH E17「国際共同治験の計画及びデザインに関する一般原則に関するガイドライン」は、2017年のICHステップ4合意を受け、2018年に日本において通知(ステップ5)が発出されましたが、その適用は広がっていないようです。本報告書では、国際共同開発が開発戦略の主流となっている現状を鑑み、未来に向けて歩みを進められるよう、ICH E17ガイドラインの基礎にある「科学的な考え方」を丁寧に説明することを試み、更にICH E17にとらわれず、医薬品評価のあるべき姿についても議論しました。

「医薬品評価」をその医薬品の有効性・安全性を知るための学習過程と捉え、開発から市販後までを俯瞰した上で、どのような思考に基づいて医薬品評価を行っていくべきかについて検討を重ね、「治療効果に影響を及ぼす要因」(←効果修飾因子と本報告書では整理しています)に関する理解を深めることが新たな思考の軸となる、という結論にたどり着きました。効果修飾因子を軸とした思考は、国際共同開発に限らず、希少疾患や特別な患者集団を対象とした医薬品開発など、さまざまな状況下での医薬品開発にも適用できると確信しています。

本報告書が医薬品開発に携わるすべての皆さまの一助となれば、また次世代を担う方々の思考の礎となれば幸甚です。

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会
DS部会 2020年度タスフフォース5

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