医薬品評価委員会 医薬品開発での多様性確保に対する臨床薬理の貢献 —実臨床と臨床試験間の患者背景のギャップ解消に向けて—
臨床評価部会
2026年4月
医薬品の薬物動態、有効性及び安全性はさまざまな患者背景の影響を受けます。しかし、ピボタル試験に組み入れられる患者層は、必ずしも承認後の実臨床における患者層を十分に反映していないのが現状です。特定の背景を有する集団を臨床試験に組み入れることが困難となる一因として、当該集団の組入れ可否を判断するための、有効性及び安全性に関する情報の不足が挙げられます。モデリング&シミュレーション(M&S)を始めとする臨床薬理的アプローチは、こうした課題に対応するための一つの方法となり得ます。
そこで継続課題対応チーム-8(臨床薬理)では、特定の背景を有する集団をピボタル試験へ組み入れる際の課題を整理するとともに、治験参加者の多様性の促進を目指した選択・除外基準の設定、並びに当該集団における有効性及び安全性評価や添付文書での情報提供に対し、M&Sを含む臨床薬理的アプローチがどのように活用できるかを議論しました。その結果を踏まえ、臨床開発計画、臨床試験実行、薬事等に携わる開発チーム全体を対象とした、臨床薬理の観点からの提言を部会資料としてまとめました。
本成果物が、医薬品開発全体を通した「臨床試験における対象患者の有効性及び安全性に関する実データの取得」を推進するとともに「情報が不足しうる一部の特定の背景を有する集団」における有効性及び安全性に関する情報の補完に寄与して、添付文書等を通じた適切な情報提供の一助となれば幸いです。
