医薬品評価委員会 説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート

臨床評価部会

2024年12月

治験で用いられる説明文書の作成は治験責任医師の責務とされており、治験依頼者は治験ごとに必要な情報を盛り込んだICFの様式を治験責任医師に提供している。この様式は治験依頼者ごとに独自であり、また医療機関においても独自の様式を規定している場合も多い。そのため、ICFの作成や確認作業において、医療機関及び治験依頼者の双方に大きな負荷がかかっており、日本の治験環境の非効率な要因のひとつになっている。また、これにより、同一治験であっても医療機関ごとに治験参加者へ提供する情報が異なることも課題となっている。

このような背景を踏まえ、日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会では、R&D Head Clubが発行したCommon ICF template第1.1版を基に、医療機関、患者団体、弁護士等の意見も取り入れて、ICF共通テンプレートを作成した。
本ICF共通テンプレートは、全体の構成や治験に関する一般的な説明事項を変更不可とし、治験固有の内容についても一定の記載ルールを設けることで、ICF共通テンプレートの意義を損なうことなく日本全体で共通して使用し、治験参加者への情報の均一化を図るとともに、ICFの作成や審査、説明における医療機関及び治験依頼者双方の負担軽減を目的としている。
治験依頼者及び医療機関の双方が全て、日本で共通のICFテンプレートを導入することによる意義をご理解いただき、関係各所の皆様におかれましては、ぜひ本ICF共通テンプレートの導入を進めていただきたい。

海外に遅れることなく医薬品開発を進めるためには、国際的に通用する治験実施体制や環境の整備が必要である。ICF共通テンプレートが日本の治験依頼者及び医療機関に広く浸透し活用されることで、治験参加者が同じ情報を受け取り、治験への参加を判断できるようになるとともに、ICFの作成や審査における負担軽減により効率化が図られ、日本が国際共同治験実施国として選ばれる環境を維持し、患者さんへの新薬の迅速な提供に繋がる一助となることに期待する。

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会
特別プロジェクト3

説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート(第1.1版)

  • ICF共通テンプレートの記載を以下のとおり一部変更しました。
該当セクション 第1版 第1.1版

B-1.治験(ちけん)とは 治験のながれについて(P.6)

出典:日本医師会治験促進センター(現 日本医師会

引用:日本医師会

D-1.治験中の費用について(P.19)

この治験で服用(使用)する治験薬の費用はかかりません。(健康成人対象試験の場合は以下青字と下表を削除する)そのため、この治験薬を服用(使用)している間は、診療費の負担が一部少なくなることがあります。

(健康成人対象試験の場合は、「あなたの負担はありません。」と記載して以下文章と下表を削除する)この治験で服用(使用)する治験薬の費用はかかりません。そのため、この治験薬を服用(使用)している間は、診療費の負担が一部少なくなることがあります。

D-4.個人情報の保護について(P.22)

この治験の内容や将来得られる結果は(中略)で公開されますが、あなたを特定する情報は含まれません。これらのサイトでは治験の結果の概要が公開され、あなた自身も確認することができます。

この治験の内容や将来得られる結果は(中略)で公開されることがありますが、あなたを特定する情報は含まれません。これらのサイトでは治験の結果の概要が公開されることがあり、あなた自身も確認することができます。

「説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート」一部変更のお知らせとお詫び(2024年11月)

説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート 説明資料

説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート 啓発用パンフレット

ICF共通テンプレートの積極的な活用については厚生労働省より「治験における説明文書及び同意文書の共通様式の活用について(依頼)(医政研発0704第1号、医薬薬審発0704第2号、令和6年7月4日)」が発出されております

「治験における説明文書及び同意文書の共通様式の活用について(依頼)」

参考英訳資料

説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート(第1.1版) 参考英訳

説明文書・同意文書(ICF)共通テンプレート 啓発用パンフレット 参考英訳

「治験における説明文書及び同意文書の共通様式の活用について(依頼)」 英訳

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