調べ方
細菌やウイルスに対して、それまで効いていた薬が効かなくなることを薬剤耐性という。細菌に対する薬剤耐性について、日本製薬(せいやく)工業協会の「薬剤耐性(AMR)啓発(けいはつ)動画『STOP AMR』」、厚生(こうせい)労働省の「薬剤耐性(AMR)対策(たいさく)について」のサイトや、医学や薬学に関する本などを参考にして調べよう。
まとめ方
薬剤耐性菌の危険性(きけんせい)や起こる原因(げんいん)などについてまとめよう。
薬剤耐性菌を防(ふせ)ぐためにはどうしたらよいかについてもふれるといいね。
■薬剤耐性菌とは?
感染症の原因となる細菌に対して、その細菌をたおす抗菌薬(こうきんやく)[抗生物質(こうせいぶっしつ)]が開発されてきた。
その抗菌薬(抗生物質)が効(き)かない細菌を、薬剤耐性菌(やくざいたいせいきん)という。現在(げんざい)、さまざまな薬剤耐性菌が増(ふ)え、世界中で問題になっている。
■薬剤耐性が起こる原因
必要のない薬を飲む
体に悪さをするのはウイルスや細菌などさまざまな種類があるが、抗菌薬(抗生物質)は細菌をやっつける治療薬(ちりょうやく)だ。
(ウイルスをやっつけるのは、抗ウイルス薬[抗インフルエンザ薬など]。)
悪さをする細菌がいない時に抗菌薬(抗生物質)を飲むと、体内にいる細菌が、その抗菌薬(抗生物質)に対して耐性[薬に打ち勝つ性質(せいしつ)]をもってしまう。
例えば、ウイルスが原因であるかぜやインフルエンザの時に抗菌薬(抗生物質)を飲んでも効き目がなく、逆に薬剤耐性の原因になる。
また、病院(びょういん)に行ってもらった抗菌薬(抗生物質)を指示通りに飲まないと、その薬に弱い菌だけがいなくなり、耐性菌が生き残ったり、体の中に必要な菌がいなくなったりすることがある。
■薬剤耐性菌の危険
薬剤耐性菌による感染症が流行すると、有効(ゆうこう)な抗菌薬(抗生物質)の選択肢(せんたくし)が減(へ)り、治療(ちりょう)が難(むずか)しくなって重症(じゅうしょう)化する人が増(ふ)える。
特に高齢(こうれい)者や持病をもっている人は、重症になる危険(きけん)性がより高まる。
■薬剤耐性菌を防ぐために
病院に行ってもらった薬は、その指示(しじ)のとおりに飲むようにする
症状(しょうじょう)が軽くなったからと言って、途(と)中でやめたり、飲む回数や飲む量を減(へ)らしたりしない。
医師からもらった薬は、ほかの人にあげたり、ほかの人からもらったりしないようにする
飲み残した薬をほかの人にあげたり、ほかの人から薬をもらって飲んだりしない。
病気にならないように予防(よぼう)する
手洗(てあら)い、うがい、予防接種(よぼうせっしゅ)など、病気にならないように自分の体を守る。
■ほかにも参考になるサイトがある
・AMR 臨床(りんしょう)リファレンスセンターのホームページ かしこく治して明日につなぐ ~抗菌薬を上手に使ってAMR 対策~
・くすりの適正使用協議会(てきせいしようきょうぎかい) 抗生物質が効かなくなる?ー薬剤耐性(AMR)
・保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)解説動画
・すこやかコンパス くすりを知る 薬が作用する仕組みVol.3 菌やウイルスをやっつける
・すこやかコンパス 薬の「こまった!」解決帳 使うとき編 Vol.2「症状がおさまったら薬は中止してもいい?」
・すこやかコンパス 月刊からだコラム 正しい手洗いで感染を予防しよう
まとめ
薬を正しく飲まないことが原因で、薬剤耐性が多くなっている。
薬を正しく飲むことで、薬剤耐性を防ぐことができる。