バイオ医薬品委員会

重点課題

1. 国のバイオ医薬品関連施策の動向把握、製薬協提言の進捗評価ならびに関連施策に関する新規提言の検討

前述の2011 年度政策提言「バイオ医薬品産業の振興に向けて」について2018年度に振り返りを行った結果、BCRET によるバイオ医薬品(主に抗体)を対象とした人材育が進む一方で、バイオ医薬品のシーズの実用化や製造インフラの整備など政策反映が十分ではないことが浮き彫りになっている。近年では遺伝子治療など新たなモダリティによるバイオ医薬品の研究・開発が加速、さらには今般のCOVID-19のパンデミックを起点として、製薬産業でもデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り込みに向けた検討が進められており、バイオ医薬品の研究・開発を取り巻く環境が激しく変化している。
このような状況の下、より高いレベルの成果に結びつくよう、従前と同様の活動を継続して推進するとともに、特に「バイオ戦略2020」「健康・医療戦略(第2期)」「医療分野研究開発推進計画(第2期)」に呼応した施策について重点的に取り組み、日本のバイオ医薬品研究開発のさらなる促進に向けた新たな政策提言を検討していく。

2. バイオ医薬品の製造販売承認申請書記載事項の調査・研究「モックアップの作成」等

ICH Q12におけるEstablished Conditionsの議論を踏まえ、日本における承認申請書の記載事項及びCTD Module 2.3の記載事項についての検討を行う。また、近年、バイオ医薬品においても、連続生産、Process Analytical Technology (PAT)、QbDアプローチなど、製造の効率化や品質向上を可能とするより進んだ技術、品質保証の考え方も浸透してきており、これらを踏まえた承認申請書のあり方についても検討し、関係当局への提言を行う。
また、これらの課題は、厚労省の班研究等においても議論が行われていることから、当該班研究等にも参加し、関係当局とも連携して業界側の意見を研究成果に反映させるべく対応を行う。バイオ医薬のモックアップを作成することは、バイオ医薬品の研究開発にこれから注力する製薬会社であっても、また、経験が豊富な製薬会社であっても、承認申請作業の負担を軽減させるだけでなく、国内のバイオ医薬品業界全体の底上げにつながる。

3. 再生医療・細胞治療・遺伝子治療の調査・研究

再生医療は次世代医療として大きな期待をもたれており、「健康医療戦略」においても重点化されている再生医療の進歩について調査・研究を行なう。改正薬事法(略称「医薬品医療機器等法」)の施行に伴い発出された通知について、さらに理解を深めるために、過去の通知、ガイドラインについて調査研究を進めるとともに、今後、遺伝子治療製品等で製品像が具体化するので、それに合わせて必要に応じてガイダンスやガイドラインに関する検討を、PMDA等の関係官庁、他団体と連携して行う。

4. ワクチンに関する諸課題への取り組み

今般のパンデミックの収束に向けた取り組みに留まらず、今後の未知なる感染症に対する備えも含めたワクチン関連諸課題の解決に向けて、これまでの活動を継続して推進する。特に国内ワクチン研究開発を促進させ、安定的な供給を可能とするための政策提言や、ワクチンリテラシーを向上させるための施策等に重点的に取り組み、ワクチンエコシステムの形成を推進する。

重点課題への取組内容

重点課題1

  1. 文部科学省によるトランスレーショナル・リサーチ推進のための「橋渡し研究戦略的推進プログラム」、AMEDによる創薬総合支援事業(創薬ブースター)など橋渡しの取り組みが行われている。更なる充実のためには製造環境の整備に取り組む必要がある。そのため、橋渡し製造の課題や重要性の啓蒙とともにアカデミアと連携できる相談窓口の有効活用、CDMOの充実の政策提言を検討していく。
  2. 2017年にとりまとめた日本発バイオ医薬品シーズの研究開発促進のための提言に基づき、2018~2019年度に実施した国内アカデミア、産学コーディネーターやAMEDをはじめとする産学連携に関わる各ステークホルダーとの意見交換の結果を踏まえ、彼らとの「共創活動」に関する具体的施策の実施や提言のとりまとめを行う。
  3. 人材の育成に関して、2019年度に「国内の遺伝子治療用医薬品のバイオ専門人材育成」について関係各府省への提言を実施した。今後も国内のバイオ専門人材育成の拡充に向けた提言活動を進めると共に、データサイエンスなどのIT分野との融合、バイオ領域に長けたデータサイエンティスト育成についても検討を進める。
  4. 上記提言の実現に向けて、関連施策等についても検討を行い、行政当局をはじめとした関係者への情報発信を実施する。

重点課題2

  1. 承認申請書記載例及びCTD Module2.3について、PMDAや厚労省など関係当局との意見交換を継続的に行う。
  2. (ICH Q12におけるEstablished Condition やPACMP(Post-Approval Change Management Protocol)の議論を踏まえ、厚労省、PMDAなど関係当局や日薬連とも密接に連携を取り、承認申請書記載例、CTD Module2.3及びQ&A等の検討を行う。
  3. 連続生産、PAT、QbDアプローチなど、製造の効率化や品質向上を可能とするより進んだ技術、品質保証の考え方を踏まえた承認申請書のあり方について検討する。特にバイオ医薬品の連続生産については、厚労省、PMDAなど関係当局と連携し、規制上の課題等を検討する。
  4. ICH Q3E(不純物:医薬品及び生物製剤の溶出物及び滲出物(E&L)の評価と管理)、ICH Q5A(R2):バイオ医薬品のウイルス安全性評価(改定)について、厚労省、PMDAなど関係当局と連携し、EWGにおける技術文書の作成を実施・協力する。

重点課題3

  1. カルタヘナ法に関連した遺伝子治療用製品等を開発する上での課題となっている「治験開始時までに必要な第一種使用規程承認申請データ」や「治験時・市販後の使用方法に応じた第一種使用規程」、そして「第一種使用規程の変更等の手続きの簡素化」等について改善を目指して規制当局と議論する。また、運用改善にむけて、アカデミアや他団体と協働して規制当局に働きかけていく。
  2. カルタヘナ法の対象となる遺伝子治療用製品等について治験開始までに実施すべき事項について関連通知を整理したガイダンスを作成・公表し、これを更新する。
  3. 生物由来原料基準及びその運用通知の改正に向けて、他団体と協働して規制当局に働きかけていく。
  4. 厚生科学研究櫻井班(GCTP検討班)に参画し、GCTP省令改正案や治験製品GCTP(治験薬GMP通知のGCTP版)の検討に協力する。
  5. 遺伝子治療用製品、細胞製品のライフサイクルマネジメントについて、現在の通知や承認事例について調査・研究し、課題については関連する規制当局に意見・提言する。
  6. 今後、必要により、具体的な製品像を鑑み、ガイダンス等のドキュメントを関係官庁、他団体と連携しながら検討する。

重点課題4

  1. ワクチン定期接種化の予見性の向上、開発優先度の高いワクチンの研究開発推進、疫学データおよび副反応疑い情報集積システムの構築、欧米当局との薬事規制のハーモナイゼーション、ワクチン流通体制の見直し等による安定供給の達成などの諸課題の解決に向けたロードマップを作成し、関係当局ならびにAMED研究班等との対話や、PhRMA、EFPIA、日本ワクチン産業協会とのワクチン四団体協議を通じた協調・連携を推進する。
  2. 2020年に取り纏められた感染症治療薬・ワクチンの創製に向けた製薬協提言書に基づき、上記ワクチン関連課題も含め、感染症対策SCと連携しながら具体的施策の実施や提言の取り纏めを行う。
  3. ワクチンリテラシーの向上を図るべく、ワクチンのベネフィットとリスクについてより理解してもらうために広報委員会とも協力しワクチンメディアフォーラムを企画開催する等、リスクコミュニケーションを推進する。
  4. IFPMA Vaccine Committee等への参加を通じて、国際的な予防接種関連情報の収集を行うとともに、国内ワクチン市場や予防接種法の改正等についての情報をIFPMAと共有し、本邦の感染症対策の推進に貢献する。

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