産業政策委員会

重点課題

  1. 革新的新薬およびイノベーション創出の観点からの総合的な施策検討
  2. イノベ-ションを適切に評価し、研究開発型製薬産業の成長に資する薬価制度の実現
  3. 研究開発を促進し、国際競争力強化につながる税制の活用推進とさらなる充実
  4. 関係各省や国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)等と連携した革新的新薬創出のための環境整備
  5. 医薬品の適正使用の推進に向けた取り組みの強化
  6. 感染症に関する取り組みの推進
  7. 経済安全保障に関する取り組みの推進
  8. 難病・希少疾患に関する取り組みの推進
  9. 産業政策、安全保障の観点を踏まえた戦略的なアドボカシー活動の推進

重点課題への取り組み内容

1. 革新的新薬およびイノベーション創出の観点からの総合的な施策検討

研究開発型製薬産業を取り巻く社会環境の変化や施策動向を把握・分析し、産業政策の要であるイノベーション推進方策、薬価制度、税制を中心に、革新的新薬やイノベーションの創出等により国民ニーズ・社会課題に応えていく観点から、総合的な検討を行い、提言・対応を行う。また、官民対話や常設委員会で対応できない課題、緊急事案等について的確に対応し、主張すべき内容、方向性等を整理する。
検討や対応に当たっては、関係団体と連携するとともに、医薬産業政策研究所(政策研)の研究・調査機能を活用する。

2. イノベ-ションを適切に評価し、研究開発型製薬産業の成長に資する薬価制度の実現

革新的医薬品へのアクセスを確保するため、「製薬協 政策提言2023」等に基づき、「イノベーションの推進」と「国民皆保険の持続性」が予見性を持って両立できる仕組みのもと、優れた医薬品が持つ多様な価値が適切に評価されて薬価に反映され、特許期間中は薬価が維持される仕組みの構築・実現に向けて注力する。
研究開発型製薬産業という立場から政策研や関係委員会の協力を得ながら近年の制度改革や薬価改定に関連する分析・検証を推進するとともに、医薬品産業ビジョン2021や厚生労働省有識者検討会における議論を踏まえ、イノベーションの評価に関する課題を中心に検討し、官民の議論に参画し、適時・的確に提言等を行う。特に、ドラッグ・ラグ/ロスの懸念など国民ニーズや社会環境・課題の変化、製薬産業の変化や国際競争力の強化、また薬価算定の透明性・納得性を高める観点も踏まえ、現行の新薬創出等加算に代わる新たな薬価維持制度、ならびに、新規性・革新性の高い新薬が有する多様な価値が我が国で適切に評価されるプロセスの導入に向けて、エビデンスに基づく理論構築により2024年度制度改革に向けて提案し、その理解と実現に全力を尽くす。
費用対効果評価については、薬価制度における費用対効果評価の位置づけを踏まえつつ、2022年度の制度見直し後の運用や課題を検証し、2024年度制度改革に向けて、業界として改善に向けた意見の表明、適切な反映を求めていく。

3. 研究開発を促進し、国際競争力強化につながる税制の活用推進とさらなる充実

2023年度の研究開発税制改正の影響を検証し、本税制が研究開発投資インセンティブとして効果的に機能し、イノベーションを推進する制度となるよう、次回の改正要望へ備える。
2023年度税制改正において要件の緩和がなされた特別試験研究費税額控除制度の会員会社による活用状況を検証し、積極的な活用を推進する。
研究開発税制が、会員会社の研究開発投資判断に与える影響について精査するとともに、研究開発税制以外のイノベーション促進のインセンティブとなる税制についても検討する。

4. 関係各省やAMED等と連携した革新的新薬創出のための環境整備

第2期健康・医療戦略(2020年~2024年)等のフォローアップを行うとともに、健康・医療戦略、医療分野研究開発推進計画および医薬品産業ビジョン2021に盛り込まれた革新的新薬の創出を支援する施策等について、その実効性が確保され、製薬産業にとって真に有益なものとなるよう、関係各省、各種会議体等に対して適時的確に提言等を行う。また、製薬協 政策提言2019、2021および2023で提案した、「産学官一体となり日本の創薬力を強化して患者にイノベーションを届ける」と「国民・患者中心の効率的な医療を実現する医療データ基盤構築と法制度整備」等を関係委員会および関係府省、AMED等と連携しながら推進する。

5. 医薬品の適正使用の推進に向けた取り組みの強化

政策提言に基づき、情報提供活動の適正化、ポリファーマシー・残薬等への対応、薬剤耐性(AMR)対応、高額薬剤の最適使用を始め、医薬品の適正使用を推進するための諸課題について、関係委員会と連携して具体策の検討ならびに展開を推進する。

6. 感染症に関する取り組みの推進

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による会員会社の事業活動や医療環境における影響・課題を検証し、関係者と連携しつつ、感染症への取り組みや感染症発生時における課題に関し、治療薬・ワクチンの創出および安定的供給に必要な施策の検討ならびに創薬以外の感染症に係る製薬協の取り組みについての検討を進める。

7. 経済安全保障に関する取り組みの推進

米中対立やCOVID-19を背景に、日本でも2022年5月に経済安全保障推進法が公布された。ウクライナ情勢の長期化や台湾有事リスクもあり、今後も「経済安全保障」について、政府や国会等の動向を注視しつつ、業界としての方針策定が必要な事項については、適宜、方針を検討・調整・対応するとともに、会員会社への啓発活動を行う。

8. 難病・希少疾患に関する取り組みの推進

骨太方針2021において「希少疾病である難病の対策を充実する」との記述がなされ、さらに2022年の同方針においても「難病に関わる創薬推進」について言及されており、これまで以上に難病・希少疾患の課題解決について必要性や関心が高まっている。2023年1月に製薬協が公表した「患者さんの困りごとに関する調査」では、ペイシャントジャーニーにおける10個の課題が明らかになった。その中でも「希少疾患治療薬の創薬に関する課題」および「希少疾患患者さんとのコミュニケーションや情報に関する課題」については、製薬協に対する要望や期待が大きく優先して解決に取り組む必要がある。こうした取り組みは個社や一団体では解決が難しいため、患者団体・医療従事者・行政・アカデミアなど難病・希少疾患に関わる複数の関係者と連携を図り解決に向けて活動を進める。

9. 産業政策、安全保障の観点を踏まえた戦略的なアドボカシー活動の推進

製薬協 政策提言2023や厚労省が策定した医薬品産業ビジョン2021を踏まえつつ、骨太方針2023対応等の短期的課題、国民に対する製薬産業の理解促進等の中・長期的課題を見据えたコンテンツを策定し、関係委員会・部会と連携のうえ、戦略的なアドボカシー活動を推進する。
医療・医薬品分野における国の政策決定に影響を与えるステークホルダーに対する、各社トップ、役員クラス、実務レベルによる重層訪問体制を拡充し、ステークホルダーの医薬品産業政策に対する理解を深めるべく、計画的な訪問活動を推進する。
2023年春に公表を予定している「健康寿命延伸と経済成長牽引に関する研究会~医薬品産業の未来に向けて~」による報告書を効果的に展開するとともに、同研究会の成果物である健康寿命に関する先行研究マップの研究者への浸透や研究公募事業の新設、研究会の再設置などにより、産業理解促進に資するアカデミア研究等を推進する。
国民啓発活動の一環として、薬学教育者との関係強化を通じ、製薬産業・創薬を取り巻く環境等に関する薬剤師の理解促進に向けた活動を推進する。
国民・患者さんの製薬産業に対する理解を深めるべく、広報委員会との連携強化によりターゲット別の理解促進戦略を策定したうえで、幅広いメディアの活用により世論形成に向けた活動を展開する。

インターナショナル・トレード・コミッティ

重点課題

  1. 第5次医薬品関税撤廃の早期実現
  2. 薬機法への対応
  3. 貿易諸問題への対応

重点課題への取り組み内容

(1)第5次医薬品関税撤廃の早期実現

第5次関税撤廃作業は依然として停滞しているが、作業が再開された場合には、スムーズに再開できるように関係各省およびINTERCEPT等と連携ならびに国会提出用の関税撤廃リストの準備を行う。

(2)薬機法および関連法令への対応:調査・情報収集活動・啓蒙活動の継続および他団体との連携・協力

今後とも薬機法令および関連法令の遵守および適切な運用を目指し、製薬協内関連委員会、関連業界・団体と密接に連携・協力して対応していく。

(3)貿易諸問題への対応:研修会、講演会等の実施および各委員同士の情報交換

海外も含め製造業者への委受託も増加しており、それに伴う輸入および輸出の貿易拡大により発生する薬機法、関税法、化審法等の法令がらみの種々の問題に対応するため、研修や情報交換を通じ各委員の理解や見識を高め、業界としてのレベルアップを図っていく。

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